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【J2前半戦が終了】1位は北九州、2位は徳島…よく見たら勢力図が「西高東低」になっている 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2020/09/26 08:00

【J2前半戦が終了】1位は北九州、2位は徳島…よく見たら勢力図が「西高東低」になっている<Number Web> photograph by J.LEAGUE

ギラヴァンツ北九州を牽引するディサロ燦シルヴァーノ。J2得点ランキングでも2位の10得点という活躍を見せている

2位 徳島ヴォルティス(13勝4分4敗)

 13勝4分4敗で2位の徳島ヴォルティスは、北九州を勝点1差で追いかける。35得点は北九州と並んでリーグトップで、17失点はリーグ最少である。攻守のバランスはリーグ随一だ。

 昨シーズンはクラブ史上最上位タイ(J2)のリーグ4位に食い込み、J1参入プレーオフで湘南ベルマーレとの決定戦まで勝ち進んだ。その代償として何人かの主力を引き抜かれたが、就任4年目のリカルド・ロドリゲス監督のもとで継続的に強化をしてきた成果が、今シーズンの戦いぶりに表れている。

 3バックでも4バックでも戦うことができ、自分たちでボールを握りながら相手を押し込んでいくことができる。複数のシステムを使い分けることができ、試合中も選手の立ち位置が流動的なので、対戦相手からすると事前に分析をしても対応しきれないところがある。前線からのハイプレスを駆使しながらも、最終ラインの人数を増やして逃げ切る試合もあり、モダンでありながら現実的なサッカーで勝点を積み上げている。

 新型コロナウイルスの感染拡大による中断があった影響で、今シーズンのJ2はスケジュールが例年以上に厳しくなっている。ここから先はケガ人が絶えないことも想定するべきだが、徳島は複数ポジションに適応する選手が多く、システムに多様性がある。レギュラークラスが何人か欠けたとしても、チームのパフォーマンスが著しく落ちることはなさそうだ。チームとしての危機回避能力は、北九州を上回ると言える。

 ただし、取り換えの効かない選手はいる。キャプテンの岩尾憲だ。キャプテンにして攻守の要となるこのボランチのフル稼働は、2度目のJ1昇格の条件になる。

3位 V・ファーレン長崎(11勝7分3敗)

 3位のV・ファーレン長崎は、16節から21節まで6試合連続で勝利から遠ざかっている。その間に北九州に首位を譲り、徳島の後塵を拝することにもなった。

 シーズン序盤は逆転勝ちが多かった。勢いの増す勝ちかたができていただけでなく、途中出場の選手が得点に絡むことで加速力がついていった。手倉森誠監督は積極的に選手を入れ替え、レギュラーとサブの実力差を埋めていくことも並行して進めていった。

 流れが変わったのは、16節のアルビレックス新潟戦だった。2対0から同点に追いつかれ、翌節のツエーゲン金沢戦も同じ展開で1対1の引分けに終わる。さらに20節の松本山雅FC戦でも、2対0から追いつかれた。3試合ともにアウェイゲームだったものの、停滞感が忍び寄るドローゲームである。

 松本戦の4日後に行なわれた21節のFC町田ゼルビア戦も、1対1で終了のホイッスルを聞いた。ただ、この日は81分に追いつく展開だった。試合後の手倉森監督の表情にも、陰りはなかった。

「今日は追いついての勝点1で、いよいよ敵地で勝点3を取れる状態を自分たちで手繰り寄せたような感覚ですね。今日で一巡目が終わりましたけど、ちょうど勝点40という区切りのいい数字で、いよいよ後半戦への勝負、ここからだという態勢はできたなと。自分たちの力を信じてやり続けていきます」

【次ページ】 4位 アビスパ福岡(11勝4分6敗)

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