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【J2前半戦が終了】1位は北九州、2位は徳島…よく見たら勢力図が「西高東低」になっている

posted2020/09/26 08:00

 
【J2前半戦が終了】1位は北九州、2位は徳島…よく見たら勢力図が「西高東低」になっている<Number Web> photograph by J.LEAGUE

ギラヴァンツ北九州を牽引するディサロ燦シルヴァーノ。J2得点ランキングでも2位の10得点という活躍を見せている

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響による試合の延期もあったが、今シーズンのJ2リーグは9月23日に前半戦を終えた。

 よく見ると、前半戦の勢力分布は“西高東低”となっている。

1位 ギラヴァンツ北九州(14勝2分5敗)

 首位で折り返したのはギラヴァンツ北九州だ。4シーズンぶりにJ2に復帰したチームが、14勝2分5敗の勝点44で首位を快走している。

 チームは無印の集団だ。日本代表経験のあるベテランがいるわけでなく、J1で実績を残してきた選手もいない。J2の経験者さえ少数にとどまる。J1やJ2の他クラブで出場機会を得られなかった選手たちが、完全移籍や期限付き移籍で北九州のユニフォームを着ている。

 2月のシーズン開幕戦はアビスパ福岡に0対1で敗れ、6月末の再開初戦はV・ファーレン長崎に1対2で屈した。このままズルズルと後退してしまう可能性もあったが、第3節のFC琉球戦で初勝利をマークする。これまで4つのチームをJ1昇格へ導いてきた小林伸二監督が、「ここで勝てなかったらシーズンそのものが難しくなる」と位置づけた一戦を契機に、J3を制覇した19年シーズンから積み上げているサッカーが機能していった。

 就任2年目の小林監督が掲げるサッカーは、「最後まで諦めずに勇猛果敢に、自己犠牲を恐れずに徹底的に攻め続ける」というチームの哲学に基づいたもの。その具体的な手段がハイプレスである。「攻」から「守」への素早い切り替えを徹底し、前線からハメ込んでボールを奪い取り、そのまま攻め続ける。

 北九州のプレスを嫌う相手がロングボールを蹴っても、2トップとサイドハーフがコースを限定している。守備陣はインターセプトを狙いやすい。最終ラインで取り切るか、取り切れなくてもダブルボランチが挟み込んでボールを回収する。攻めるための守りが徹底されているのだ。

 7月25日の7節からは9連勝を達成。17節のヴァンフォーレ甲府戦で不敗記録は止まるものの、翌節から3連勝を飾った。

 21節終了時点の総得点は、リーグトップタイの「35」を数える。ここまで10ゴールで得点ランキング2位タイのディサロ燦シルヴァーノと、7得点をマークしている町野修斗の2トップは、J2屈指のデュオと言っていい。町野はリーグ2位の7アシストも記録している。

 後半戦は追いかけられる立場になるが、小林監督は「チャレンジャー精神」を強調する。J2で通算8シーズンを戦ってきた経験が、メンタルの重要性に目を向けさせるのだ。

「自分たちが首位になったということは、相手はモチベーションが高い状態で攻めてくる。そこで気持ちが受けに回ったら簡単に引きずり降ろされてしまうし、2連敗、3連敗というのはザラにあります。これからは自分たちの色を全面的に出してくるチームよりも、研究してくる相手との対戦が増える。だからこそ、つねにチャレンジする姿勢は大事です」

【次ページ】 2位 徳島ヴォルティス(13勝4分4敗)

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