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規則違反などで協会や選手と“バトル”の過去も…全米オープン初優勝デシャンボーの努力と願い 

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAP/AFLO

posted2020/09/21 18:00

規則違反などで協会や選手と“バトル”の過去も…全米オープン初優勝デシャンボーの努力と願い<Number Web> photograph by AP/AFLO

4日間アンダーパーで回ったのはデシャンボーのみ。混戦が予想された全米オープンでその“努力”を証明してみせた

デシャンボーがパワーを求めた理由

 忘れてはならないのは、パワーを求めたデシャンボーは、単に飛距離を伸ばして優越感に浸りたかったわけではなく、パワーを武器にして自身のゴルフをトータルで向上させようと地道に努力してきた点だ。

「パワーだけでは不足だ。再現できて反復もできる安定したスイングを身に付けるため、(コーチの)クリス・コモとスイング作りに励んできた」

 ウイングドフット入りしてからも、練習場でコモらと長い時間を過ごし、一方でタイガー・ウッズやフィル・ミケルソンと練習ラウンドを行ない、彼らが持つベテランの叡智を五感で盗み取る努力も惜しまなかった。

 最終日の前夜はナイターの照明の中、練習場で夜遅くまで球を打ち、優勝争いのための最終調整に余念がなかった。

 そして何より、気持ちを強く持ち続け、「勝ちたい」「勝つぞ」という勝利への意欲と勢いを持ち続けた。自分のゴルフ、自分なりのゴルフでメジャーを制覇したい。それができるという事実を世間に伝え、実証したいと彼は願い続け、早くもそれを実現した。

「ハードワークが報われた。チームのおかげだ。家計が苦しい中で、僕がベストを尽くすことを常に望んでくれた両親のおかげだ」

祭りの後の穏やかな微笑み

 誰よりも努力した。誰よりも頑張り、誰よりも踏ん張った。だから、難コースのウイングドフットでの4日間を、ただ1人、アンダーパーで制覇することができた。

 そんなデシャンボーに脱帽の想いだったからこそ、祭りの後の最終日の夕暮れに、USGAも関係者も誰もが、過去の数多のバトルを超えて、みな穏やかに微笑みながらデシャンボーとの記念撮影を楽しんでいたのではないだろうか――。

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