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規則違反などで協会や選手と“バトル”の過去も…全米オープン初優勝デシャンボーの努力と願い
posted2020/09/21 18:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
AP/AFLO
混戦や接戦、大どんでん返しもありうると思われていた全米オープン最終日。日本では首位から5打差の4位タイから挑む松山英樹の悲願のメジャー初制覇に期待が集まっていた。
しかし、サンデー・アフタヌーンの展開は、混戦でも接戦でもなく、27歳の米国人、ブライソン・デシャンボーの圧勝で幕を閉じた。
出だしから躓いた松山は序盤から優勝争いの蚊帳の外となり、1バーディ、7ボギー、1ダブルボギーの78とスコアを落とし、通算8オーバーの17位タイでフィニッシュした。
4日間アンダーパーはデシャンボーだけ
前日に単独首位に立った21歳のマシュー・ウルフから2打差で最終日を迎えたデシャンボーは、前半で形勢を逆転し、後半はウルフとの差を2打、3打と広げていった。
この日、アンダーパーで回ったのはデシャンボーただ1人。4日間をアンダーパーで終えたのもデシャンボーただ1人。3アンダー67で回り切り、最後には6打もの大差を付けて、通算6アンダーで圧勝。メジャー初優勝と米ツアー通算7勝目を挙げて、喜びを噛み締めていた。
光り輝く優勝トロフィーに見入ったり、キスをしたり。そんなデシャンボーの姿を、大会主催者であるUSGA(全米ゴルフ協会)のスタッフたちが微笑みながら眺めていた。
表彰式の後には、デシャンボーとUSGAスタッフや関係者たちが勢揃いして記念撮影。誰もが幸せそうな表情を讃えていた。
これまで何度も「バトル」を重ねてきたデシャンボーとUSGAが、どちらも心底、満足気な表情で仲良く記念写真に収まる様子がとても嬉しく感じられた。
こんな日が、こんなにも早く訪れることを、一体、誰が想像していただろうか。