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内村航平“鉄棒専念”で金メダル?
白井健三、萱和磨が抱く信頼感。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2020/08/08 11:30

内村航平“鉄棒専念”で金メダル?白井健三、萱和磨が抱く信頼感。<Number Web> photograph by KYODO

2015年10月の世界選手権は男子団体総合で優勝。(前列左から)早坂尚人、萱和磨、白井健三、内村航平らのメンバーで、笑顔で表彰台に上がった。

37年ぶりの世界選手権団体金メダルの獲得。

 '15年秋、英国グラスゴーでの世界選手権では、同い年の白井に負けじと頭角を現していた萱和磨が、初出場ながらきっちりと仕事をこなし、1978年以来37年ぶりとなる団体金メダルの獲得に貢献した。

 個人総合では1カ国から2人しか出られない決勝に内村とともに進出し、10位となった。得意とするあん馬では種目別銅メダルを手にし、しっかりとインパクトを残した。

 だが、萱は満足していなかった。団体決勝ではあん馬1種目のみの出場にとどまっていたからだ。

 内村が長い間、6種目に出続けていたように、団体決勝での出場種目数が多い選手はそれだけチーム内で与えられた任務が多く、重要な立ち位置にいることが分かる。

萱が表彰台死守の原動力となった。

「1種目では足りない。団体戦で必要とされる選手にならなければいけない」

 そう決心した萱は、代表入りを果たせなかった'16年リオ五輪と'17年世界選手権の間に、じっくりと力を蓄えていた。

 そして、'18年カタール・ドーハでの世界選手権で3年ぶりに代表に返り咲くと、'19年シュツットガルト世界選手権ではエースの座を担った。

 日本はこのとき、「ピンチ」に見舞われていた。

 内村と白井がケガで代表から漏れていたうえに、チームを引っ張ると期待された実力者の谷川航と谷川翔が大会前に相次いで負傷。さらに、最年長の神本雄也や、高校生だった橋本大輝を含めて、メンバー5人中3人が世界大会初出場という経験の浅いチームだった。

 聞こえてくるのは「内村不在の日本」「経験不足が不安な日本」という下馬評。ネガティブな声が渦巻く中、萱は団体総合予選から団体決勝までをノーミスで演じきり、決勝では内村以来となる全6種目に出場して、表彰台死守の原動力となった。

【次ページ】 きっと金メダルを獲ってくれる──。

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