村井チェアマンらも興味を持ち。

　瀬田も発案者のひとりとして登壇して、ブンデスのクラブがどんなマネージメントをしているのか、どんなコンセプトで、どんなフィロソフィーで取り組んでいるのかを話す。すると学生はJリーグ内での比較を進めていた中で、急にブンデスリーガとJリーグとの比較もできる。さらに視点、話の聞き方において変化が出てくるのだという。

　講座は大変な人気を博している。

「2年目に向けて授業のことをJリーグに報告してみたところ、『面白い』という反応をいただきました。それこそ村井チェアマンも乗り気で『ジョイントしますよ』と。そして、『Jリーグが何をめざしているか』という講座を最初に実現してくれました。各クラブ関係者が出てきて、途中イレギュラーで僕がブンデスリーガのクラブの話をして、最後に村井さんが入ってオープンな質疑応答を受け付けるという講座に成長したんです」

　さらに、Jリーグのメインスポンサーである明治安田生命も企画に興味を持ち、サポートしてくれることになり、「Jリーグビジネス論・明治安田生命寄付講座」というサブタイトルがつくようになった。こうした資金援助を得たことで、関東近県だけではなくて地方クラブも呼べるようになった。

フォルトゥナ側も本気で受け入れ準備。

　これまでやってきた実地体験インターン、Jリーグビジネス論。そして、その3ステップ目として生まれたのがフォルトゥナとのカレッジパートナー契約だったのである。

　つまり、急に提携したわけではないし、誰でも参加できるプログラムというわけでもない。

　今回のパートナー契約により、スポーツマネージメントを段階的に学ぶ流れが完成した。Jリーグビジネス論を受けて興味を持った学生がゼミに入り、実際に日本で実地体験を重ねる。そのうえで、さらに優秀でモチベーションが高い学生を選抜してドイツに連れていく。渡航に関しては、明治安田生命保険相互会社からの寄付で奨学金も給付される。

　フォルトゥナ側も“やっつけ”ではなく、十分な受け入れ態勢を整えた上での準備をしているそうだ。学生たちが何を学びたいかを事前に把握し、フォルトゥナと中央大学とで一緒にカリキュラムを考える。間に合わせの修学旅行的な研修ではなくて、本気で学べる環境を提供する。

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