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ガンバの闘う技巧派・小野裕二。
宇佐美とも輝くプラチナ&いぶし銀。
posted2020/08/08 08:00
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
J.LEAGUE
今年1月、一部のサポーターも招かれた新体制発表会見で、小野裕二が引き締まった表情で口にした言葉に嘘はなかった。
「チームが勝つためにプレーするところを、ファン、サポーターの方にたくさん見てもらいたい」
例年スロースターターの傾向があるガンバ大阪が今季は好スタートを切っている。
川崎フロンターレと対戦した8月1日の首位攻防戦では前半、互角以上の戦いを見せながらも0対1で惜敗。2年ぶりの5連勝は逃したものの、3年目の宮本ガンバは一味違うことを十分にアピールしてみせたのだ。
宮本監督は名指しこそしないが……。
4連勝を支えていたのは、クリーンシート2試合を含め、4試合でわずか2失点の堅守である。
三浦弦太がディフェンスリーダーとして成長したこと、韓国代表キャプテンの肩書に相応しいプレーを見せはじめているキム・ヨングォンの安定感も見逃せないが、宮本恒靖監督の分析はこうだ。
「ただ上手いだけのチーム、ただ上手いだけの選手になってほしくない。戦える選手、結果を出せる選手、結果を出せるチームになっていかないといけないという話を選手にしている中で、そういったものが試合に現れて来ている」
そして、名指しこそしなかったものの「新しく入ってきた選手がそういうものをピッチ上で出してくれている」と付け加えることも忘れなかった。
「新しく入ってきた選手」とは言うまでもなく、今季の補強の目玉としてサガン鳥栖から加わった小野のことだ。