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五郎丸らが高校生の思い出試合を解説。
苦境に屈しないラグビー界の結束。 

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多羅正崇

多羅正崇Masataka Tara

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photograph by(一社)スポーツを止めるな

posted2020/08/05 17:00

五郎丸らが高校生の思い出試合を解説。苦境に屈しないラグビー界の結束。<Number Web> photograph by (一社)スポーツを止めるな

「思い出の試合」を野澤氏、五郎丸、谷口アナが実況・解説をつけてプレゼント。上映会を見た石巻工業のラグビー部は大いに喜んだ。

合宿地の聖地・菅平のプロジェクトも。

 ラグビー界はこれまでもチームの垣根を越えて団結してきた。

 直近ではもうひとつ、現在進行中の『WE ARE スガダイラーズ PROJECT』が好例だろう。コロナ禍で苦境に立たされている全国のラガーと、ラグビー合宿の聖地である長野・菅平高原を支援するプロジェクトだ。

 例年は800超のラグビーチームが合宿に訪れる菅平だが、今年は7月時点の予約数が30チームだったという。

 未曾有の危機に立たされ、菅平プリンスホテルの専務取締役、大久保寿幸さんがプロジェクトを立ち上げた。ただ活動発足の初動には多くのラガーマンが関わっている。

「プロジェクトのきっかけは、学生時代に菅平で合宿をしていた元ラガーマンの友人が『行動を起こしましょう』と声を掛けてくれたことでした。そこから話し合いが始まり、たくさんのラグビー経験者の方が長野、東京で動いてくれました。SNSやクラウドファンディングで活動を広げようと、みんなが考えてくれました」(大久保さん)

 SNSなどを活用して8月末まで支援を募るクラウドファンディングを発表した。するとラグビー日本代表の中村亮土など、菅平に思い入れのある多くの現役トップ選手らが拡散に協力してくれた。

「ONE TEAM」は以前からあったもの。

 一般社団法人「スポーツを止めるな」の代表理事であり、慶應高-慶大-神戸製鋼で楕円球を追ってきた野澤氏は、ラグビー界の結束力についてこう分析している。

「ラグビーは徹底的にまとまることを求められるスポーツです。またトライを奪う選手だけではなく、仲間や組織のために全力を尽くす仕事人を『チームマン』という言葉で称える文化もあります。

 試合前の恐怖、試合での痛みを共有していることも大きいかもしれないです。ラグビーでは試合前のロッカールームで結束を高めるために大男たちが涙を流していますが、他の競技も同じだと思っていました。ビジネスでラグビーファンや経験者に会うと嬉しくなるという、絶妙な規模感も関係しているかもしれません」

 2019年ワールドカップ日本代表のスローガンで、その年の流行語大賞まで受賞した「ONE TEAM」。それ以前からラグビー界の人びとは、その言葉の意味する力を発揮していた。

 そしてこれからもラグビーの力は日本社会に必要だろう。もはや疑う余地はないはずだ。ラグビーが持つ価値を体現する選手、ファン、関係者――ラグビー界の人びとは、社会にポジティブなインパクトを与える大きな力を秘めている。

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