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五郎丸らが高校生の思い出試合を解説。
苦境に屈しないラグビー界の結束。
posted2020/08/05 17:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
(一社)スポーツを止めるな
ラグビー界の結束力にはいつも驚かされる。大義の下に号令が掛かると、1人ひとりが役割を果たして目的達成へ進む。コロナ禍という危機においても、そんな“ワンチーム力”とも言うべき結束力は発揮されていた。
緊急事態宣言が発令されていた5月中旬にスタートしたSNS活動『#ラグビーを止めるな2020』は、コロナ禍でアピール機会を失った高校3年生の進路開拓を支援するべく、主にツイッターでプレー動画を拡散する取り組みだった。
発起人は元ラグビー日本代表で、日本ラグビー協会でタレント発掘に従事している野澤武史氏。元日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏ら5人の同志が集い、未来ある高校生を救い出そうとした。
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高校生の進路開拓に力を貸してほしい――。
野澤氏が助力を求めると、2015年ワールドカップ日本代表の山田章仁らが、積極的にプレー動画のリツイートを始めた。他のトップリーガーも後に続き、彼らはまるで“リツイート担当”とばかりに継続的な拡散をした。
有名選手らのリツイートは起爆剤になったろう。選手や監督による投稿は増え続け、ある高校生は、投稿直後に大学リクルーターからオファーを受けるなど結果も出た。
ネガティブな発信も多いSNSの世界で、ハッシュタグ『#ラグビーを止めるな2020』の周辺には温かみがあった。結束したラグビー界の、ポジティブなエネルギーに溢れていた。
「思い出の試合」を五郎丸が解説。
その後は他競技にも広がり「スポーツを止めるな」運動に発展。発起人の野澤氏は、ムーブメント化の発端となったラグビー界にあらためて驚いている。
「ラグビー界の温かさに助けられました。プレー動画を見てほしい人、見たい人、そして応援したい人がひとつの生態系になっていて、とても温かかった。こちらが依頼していないのにまとめサイトを作ってくれた方もいました」
2015年ワールドカップに出場した五郎丸歩は、野澤氏らの活動に早くから協力を申し出ていた1人だ。
7月27日には、そんな五郎丸が参加した「青春の宝」プロジェクトがスタートした。
これは学生チームの「思い出の試合」に、トップ選手らが本格的な実況解説を付けてプレゼントするという夢のような企画だ。