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ブンデス再開をドイツ代表GKが語る。
「世界の模範例になることを願う」 

text by

オリビエ・ボサール

オリビエ・ボサールOlivier Bossard

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photograph byPierre Lahalle/L'Equipe

posted2020/07/27 12:00

ブンデス再開をドイツ代表GKが語る。「世界の模範例になることを願う」<Number Web> photograph by Pierre Lahalle/L'Equipe

ドイツ代表GKのケビン・トラップ。PSGでの活躍を、フランクフルトでも再び披露できるか。

「ズラタンのメンタリティーは卓越していた」

――それではロッカールームで最も印象深かった選手は誰ですか?

「ズラタン(イブラヒモビッチ)だ。彼はいつも一番最初に練習にやって来て、一番最後まで残っていた。メンタリティーが卓越していた。ときにちょっと厳しすぎることもあったが、常に勝利を目指してチームのために戦っていたし、性格も魅力も類まれだった。厳しくはあったがいつもポジティブで、そこは理解すべきだ。

 それにズラタンは、何か問題を抱えたり、彼と話したいときにはいつも親身になってくれた。僕にもこう言った。『僕は君に何か必要なものはあるか? と毎日は訊かない。だが疑問があれば、いつでも聞きに来てくれ』と。彼からは本当に多くを学んだ。常に集中して一切手を抜かずに勝利を目指す。そんな彼の姿を試合でも練習でも間近で見てきた」

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――パリでの日々をどう結論づけますか?

「PSGのようなチームで3シーズンを過ごしたら、自分も自然とチームのレベルに達する。出会った選手たちから多くを学んで成長できた。それが僕には一番重要だった。学んで成長し続けることが」

なぜPSGは欧州のトップになれないのか?

――フランスのメディアはあなたに対してシビアではありませんでしたか?

「そうは思わない。何が良くて何が悪いか自分でよくわかっていたから、新聞はなるべく見ないようにしていた。彼らは売るために刺激的に書くけど、僕にとって最も大事なのは自分の何が良くて何が悪かったかを知ることだから」

――PSGでGKを務めることの難しさはどうですか?

「フランクフルトから僕がやって来たのは、どの試合でも相手を支配し、GKがビッグセーブなどで能力を示す機会のほとんどないクラブだった。だから最初はまったく勝手が違っていた。フランクフルトでは僕はいつも頼りにされ、試合に参加していたがパリでは違った。僕はパリで何ものかになりたかった」

――あなたが在籍したのはGKの序列が明確ではない時期でした。

「僕が入ったときは、ローラン・ブラン監督のもとほぼ50試合にスタメン出場した。当時はまだ(序列が)ハッキリしていたが、その後、別の哲学を持つ別の監督(ウナイ・エメリ)がやって来た。彼は全員が平等だと言ってすべての選手に競争を喚起した。GKはフィールドプレイヤーとは異なる特別なポジションで、保証を与えられることがとても重要だ」

――ではPSGが、ヨーロッパのトップになっていくために欠けているものは何でしょうか?

「プロジェクトはまだスタートしたばかりだ。経営者が代わってから10年もたっていない。チェルシーがCL優勝を果たすまでに何年かかったか。PSGは野心に溢れ、成功を求めている。そのための選手も揃えた。歴史を刻むまでには、いま少しの忍耐が必要だ。

 CLは最高の選手を揃えたから勝てるわけではない。ディテールこそが重要で、昨年は最後の瞬間にPKを与えたことが敗戦に繋がった。あれがなければ準々決勝に進み、その後の展開も違っていただろう。忍耐強く努力を続ければ、やがて最後には成功に行きつく」

【次ページ】 リーグアンのレベルは欧州で低いのか?

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