フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ブンデス再開をドイツ代表GKが語る。
「世界の模範例になることを願う」
posted2020/07/27 12:00
text by
オリビエ・ボサールOlivier Bossard
photograph by
Pierre Lahalle/L'Equipe
『フランス・フットボール』誌5月19日発売号では、欧州5大リーグの先陣を切って5月16日に再開された、ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトに所属するドイツ代表GKケビン・トラップのインタビューを掲載している。
2015~'18年までパリ・サンジェルマンでプレーしたトラップは、昨季はレンタルで古巣フランクフルトに戻り、完全移籍を果たした今季も不動のスタメンとしてゴールを守り続けている。
そのトラップが語った――待ち望んだリーグの再開について、忍耐を余儀なくされた新型コロナ禍について、来年に延期されたEUROや3シーズンを過ごしたPSGについて……。オリビエ・ボサール記者によるロングインタビューの抄訳をここに掲載する。
監修:田村修一
「無観客で試合をするのは初めてではないしね」
――再開は驚きではありませんか?
「結果には満足できなかったけど(再開後の初戦でフランクフルトはボルシアMGに1対3の敗北)、再びプレーできたことには喜びを感じている」
――誰もがあなたと同じ考えですか?
「最高の条件でプレーができるように配慮がなされた。誰も感染しないようにリーグはあらゆる手段を講じた。もちろんいつ誰が感染するかわからない。だが、検査を何度も繰り返し、結果はすべて陰性だった。誰かひとりでも不都合があったならば、それは明らかになっていた。
不安を感じるのは当たり前だが、クラブはその点で真摯だった。誰もが落ち着いて行動し、すべての規則を遵守した。難しい期間を過ごすうえで問題は何もなかった」
――いろいろな予防措置や試合での配慮など奇異には感じませんでしたか?
「再開に際しては、遵守すべき衛生規則がいくつもあった。ひと月前から再開した練習でもそれは同じだった。だから今はどうすべきかよくわかっている。
最初のころは全員が距離をとって、トレーニングも3人のグループでおこないロッカールームでも間隔を保っていた。それから試合に向けてチームの全体練習が始まったが、やはり規則は厳格に守られた。常にマスクを着用し、手を消毒した。そんな風にやってきたんだ。
無観客のスタジアムも同じだ。それが再開の条件であるならば従う。無観客で試合をするのは初めてではないしね」
――それでも特殊であることに変わりはないですが……。
「リーグ中断中の2カ月間の状況は、誰にとっても特殊だ。ただ、最初はどれほど奇異に感じても、少し時間がたてば徐々に慣れてくる。状況を受け入れてそのうちそれが日常になっていく」