フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ブンデス再開をドイツ代表GKが語る。
「世界の模範例になることを願う」
text by
オリビエ・ボサールOlivier Bossard
photograph byPierre Lahalle/L'Equipe
posted2020/07/27 12:00
ドイツ代表GKのケビン・トラップ。PSGでの活躍を、フランクフルトでも再び披露できるか。
リーグアンのレベルは欧州で低いのか?
――リーグアンのレベルがしばしば問題にされますが?
「進歩は著しい。リヨンやモナコ、マルセイユ、PSGはビッグクラブだ。サンテティエンヌやボルドーもそうだ。
たしかにプレミアリーグには、CLで優勝しうるチームが7~8あるが、リーグアンのレベルも決して低くはない。そこは外から見たときの印象の違いなのだろうが、実際に中でプレーしてみても誰もが言っているようには簡単ではない。今季のアミアン対PSG戦を(テレビで)見たが、アミアンが途中まで3対0でリードしていた。それなりであるということだ」
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――それではパリでの最高の思い出は何ですか?
「マルセイユとの最初の対戦(2015年10月4日、2対1でPSGの勝利)かな。僕の最初のクラシコで、試合の意味やライバル関係、歴史などを誰もが僕に話した。パリのサポーターたちの前で、僕がPKを止めて試合に勝った。そして試合後には、後に妻となる女性と初めて会った。忘れられない一日だった」
ノイアーとテア・シュテゲンについて。
――29歳(取材時点)になった今、GKとして最盛期を迎えていると思いますか?
「100%の状態だ。ここフランクフルトに戻ってとても満足している。他のクラブに行ってもっと金を稼ぐこともできた。でもここには本物のプロジェクトがある。あらゆるレベルですべてが進化している。
昨季はELでインテルやベンフィカといったビッグクラブを破りながら準決勝まで進んだ。今季もラウンド16に進み、ドイツカップでは準決勝でバイエルンとミュンヘンで対戦する(6月10日の試合結果は1-2で敗戦)」
――一方でEUROが延期になったのは残念ではないですか?
「中止にだけはなって欲しくなかった。今季はスタートで怪我をして3カ月を棒に振ったが、EUROのためにできるだけ早く復帰する努力をした。最大の目標のひとつで、自分の力をそこで示したい。だが選択の余地はない。今日の状況に鑑みたらハッキリ言えることは何もないし、この危機を誰も解決できてはいない。延期は最良の選択だったと思う」
――マヌエル・ノイアーとマルクアンドレ・テア・シュテゲンの2大看板が前に立ちふさがる状況で、ドイツ代表で何を望みますか?
「マヌはここ十数年で最高のGKだし、マルクも世界最高のGKのひとりだ。彼らとともに3人のGKに選ばれるのは、僕だってそれなりということだ。彼らの凄さはわかっているけど、僕も3番目で満足してはいない。
目標はあくまで彼らを乗り越えてNo.1になり、スタメンでプレーすることだ。彼らとともに僕はさらに進化できる」
――日常生活が戻ったときに最初にやりたいことは何ですか?
「早く妻に会いたい。パリの状況はまだ微妙で、不安を抱えたまま生活している。会えるようになったらすぐに飛んでいくよ」