オリンピックへの道BACK NUMBER
フェンシングの新しい観戦スタイル。
ネット配信と投げ銭で認知度アップ?
posted2020/06/28 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kyodo News
6月22日、日本フェンシング協会は全日本選手権を9月に開催することを明らかにした。9月17日から19日にかけて予選から準決勝までを行ない、26日に決勝を行なうという。
さらに6月25日には大会の概要を発表。コンセプトを「NEW STANDARD」とし、新たな試みに取り組むことを示した。
太田雄貴会長も「時代に先駆けた大会を開催する」と語ったが、そこには、今日のスポーツの置かれた状況が背景としてある。
全日本レベルの大会としては、さまざまな競技がある中で先行して開催する形になったが、むろん、新型コロナウィルスの影響は免れない。
そのため、大会への準備や運営などにリモートで取り組むという。大会そのものは無観客で行なう。同時に、決勝についてはインターネットで配信するとした。
優勝賞金は2018年の3倍に増加。
今日の状況は、他の競技同様、フェンシングにとっても大きな打撃となっていた。
この全日本選手権をとってみてもそうだ。
近年、フェンシングは認知度や収益面の向上を模索してきた。
その一環として、全日本選手権の運営も変化を遂げた。2018年には演劇の公演などで広く知られる東京グローブ座、2019年にはLINE CUBE SHIBUYAで開催。
実施会場で話題を集めつつ大会のステータスをあげるとともに、バックヤードツアーなどをつけることでチケットのプレミアム化を図り、チケット代金もアップさせることで、収益につなげてきた。
昨年の大会は満員となり、選手への優勝賞金も2018年の3倍に増加させるなどその効果は表れていた。