プロ野球亭日乗BACK NUMBER
スカウトはYouTubeで選手をチェック。
ドラフト候補の絞り方も変わった。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/05/26 19:00
昨年のプロ野球ドラフト会議の風景。今年は例年通りの形で開催できるのだろうか。
選手を集めて実技を披露する場所は必要。
特に高校生の場合は2年生から3年生になる1年間で急成長する選手が出てくるケースがある。その点が大学生や社会人の選手の持つ1年間とは、意味合いが大きく変わってくる。
それだけに高校3年生の夏の実戦を観ることは、選手の実力判断の大きなポイントとなる訳である。
「甲子園大会が中止となったいま、各県で開催される代替大会なりトライアウトなり、何らかの方法で選手を観る機会を作ることは、獲る側だけでなく選手の側にも必要なことだと思います。
しかしまだ代替大会を、我々プロのスカウトが観戦できるかどうかも分からない。そこを何とかしていただきたいというのは、切実な要望ですね」
その編成担当は訴える。
高校卒業後に大学で野球を続けるためにはスポーツ推薦などの制度を利用することが1つの方法だ。ただ、その判定の基準となるのが高校時代の公式戦での成績で、それが無くなってしまった。
企業に就職して社会人野球を続けるにしても、採用側の基準は2年生までの実績となってしまう。そうなると採用を手控えるケースが出てくることさえ考えられる。
だとすれば尚更、プロだけではなく大学や社会人の関係者のためにも、高校、大学を卒業して、その先でも野球を続けることを希望する選手を集めて実技を披露する場所は必要となるはずなのである。
プロ、アマは関係ない。
プレーヤーズ・ファーストでこの秋に、そういう舞台を整えることは急務のはずである。