甲子園の風BACK NUMBER
自宅待機の鬱々をブッとばせ!!
スポーツの応援歌で元気になる方法。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2020/05/16 20:00
スタンドを埋め尽くす観客の風景も、腹の底から響くような応援歌も、もう少し我慢ですが……。
「楽をしても クロウ クロウ」と口ずさんでみよう!
プロ野球の応援歌で、筆者が最も好きなウォーレン・クロマティの曲も、明るくて元気が出るのではないだろうか。
現在読売ジャイアンツのアドバイザーを務める彼の応援歌は、筆者が子どもの頃いつもテレビ中継から流れており、野球にまったく興味がなかったピアノ少女の自分も大好きだった名曲。クロマティにぴったりの陽気な曲調と、「楽をしても クロウ クロウ 苦労をしても クロウ クロウ お前が打たなきゃ 明日は雨 クロマティ」という楽しい歌詞。
この曲の作曲者で、ジャイアンツの応援でトランペットを吹いていた“ライトスタンド・トランぺッター”渡辺正典氏の著書『ジャイアンツ・ブルース』によると、観客やファンから喜ばれる曲の傾向として、「歌詞は簡潔で楽しいもの、曲は軽快なマーチ風のリズム」「長さは普通の歌の半分、8小節くらいで、覚えやすく、合いの手が入れられるような歌詞や曲が人気を集めた」とある。たしかに、この頃のジャイアンツの応援歌を振り返ると、ほとんどが8小節だ。
バースの応援歌でホームランをイメージしろ!
同様に、お気に入りだったのが阪神タイガース、ランディ・バース選手の応援歌。
わずか6音で構成されており、まさにシンプルの極み。一度聴けばすぐ覚えられるわかりやすい曲調で、リピートしやすい4小節という尺の短さもポイント。一般の観客もすぐに一緒に歌える「バースかっとばせバース ライトへレフトへホームラン」というシンプルな歌詞も素晴らしい!
サッカーの応援歌としても知られる、ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の名作オペラ『アイーダ』の劇中歌『凱旋行進曲』は、祝典的な雰囲気の壮大なメロディラインが気分を高めてくれるだろう。
東京ヴェルディのチャントとしても使われている『ジ・エンターテイナー』は、スコット・ジョプリンのピアノ曲。映画『スティング』のテーマソングとして使われて有名になった曲で、明るく小粋でリズミカルなメロディが、楽しい気持ちにさせてくれる。