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日本女子バスケのホープ林真帆。
世界との差を感じたシカゴでの日々。
posted2020/04/28 11:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
今年2月、林真帆(現東京医療保健大)はシカゴで開催されたバスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ(以下BWB)グローバルキャンプに参加した。NBAオールスター・ウィークエンドの一環として開催されたもので、女子選手は世界から24人が参加。日本から唯一参加した林は、初めて訪れたアメリカで、世界の選手に交じってプレーした。
高いレベルでやったことで思うようにいかずに悩み、自分の力不足を感じた面もあった。
「身体の当たりだったり、そういうところから全然、アジアと比べて違った。こういうなかでもしっかり自分が出せるような技術を、もっとつけていきたいなと思います」と林は語る。
シュートを得意とする林だが、欲しいタイミングでパスをもらえず、待っているだけで何もできない場面が多かった。ボールがこないことには、自分の持ち味も出せない。言葉の壁もあって、チームメイトに自分の思いを伝えることも難しかった。
それでも、「(言葉は)通じないんですけれど、表情だったり、手ぶりとかでコミュニケーションをちょっとは取れたかなって。そこが楽しかったです」と振り返った。
林の成長を見守る代表アシスタントコーチ。
林が4月から進学した東京医療保健大のヘッドコーチで、日本代表のアシスタントコーチでもある恩塚亨は、そんな林を3日間、コートサイドから見守っていた。
最初のうちは言葉が通じず、パスが来ないことに戸惑っている様子だった林が、途中からは気持ちを切り替え、自分ができることに集中できるようになったと喜び、成長したと評価した。
「パスが来ないとか、ルールがちょっと違うとか、言葉のこととか。自分にコントロールできないことがかなり多かったと思うんですけれど、そこに引っ張られるんじゃなくて、そのなかで自分ができることが何かっていうのを見つけてプレーできたときはうまくいっていたんじゃないかなと思う。
自分がコントロールできることを探してその中でやっていく部分と、適応していくっていう部分と、両方を大事にしていってほしいなっていうふうに思っています」