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日本女子バスケのホープ林真帆。
世界との差を感じたシカゴでの日々。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2020/04/28 11:00
より上のレベルのバスケットボールを知ることで、さらに好きになる……林真帆の挑戦は始まったばかりだ。
国際試合で感じた「身体の強さ」。
3年になって、強豪校のキャプテンを務めるようになった林は、去年8月にアジアを体験した。まず、東京で行われたBWBアジアキャンプに参加。アジア・オセアニアから集まった17歳以下のトッププレイヤーたちの中でプレーした。キャンプの最後に行われたオールスターゲームに選ばれ、MVPを受賞する活躍で注目された。さらにその後、U18日本代表として中国で行われた日・韓・中ジュニア交流競技会にも出場し、アジアを相手に戦った。
「日本の選手と比べて身体の強さも違って、でも自分のシュートだったり、ディフェンスとかはしっかりできた。楽しくて、いい経験になりました」と手ごたえを感じたという。
そして、今年2月には冒頭で書いたようにシカゴで開催されたBWBキャンプで世界を体験。
「中学の自分には想像できないようなところまで来れているのをすごく実感しています」
チームメイトがルイビル大へ進学で……。
シカゴのBWBキャンプで、印象に残った選手がいた。カナダから来ていたメリッサ・ラッセルだ。
「自分で(ディフェンスを)崩して攻められるし、シュートもすごいうまいし、ハンドリングもうまかった。これからも、そういう選手を見て、自分のものにできるようにしていきたいです」と林。
実は、ラッセルは秋からルイビル大に進学することが決まっている。今野紀花(聖和学園卒・現ルイビル大)と同じ大学だ。そのこともあって、ラッセルのほうから林に、進学先に日本人の選手がいると話しかけられたという。ちょっとした繋がりで距離は縮まり、世界が広がる。
そういった出来事ひとつひとつが刺激にもなった。林にとっても、BWBグローバルキャンプは将来を考えるうえで転機となったという。
「今までは、目標として日本代表になりたいというところで終わっていたんですけれど、BWBを経験して、楽しそうだなと思って、将来海外でプレーしたいという気持ちがだんだん出てきました。それで、日本にもっと女子バスケットボールの魅力とか良さを伝えていきたいなって、そういうことを思うようになりました」
そんな林の内面の変化を嬉しそうに見守っているのが、恩塚コーチだ。実は恩塚は、林の将来について思い描いている道筋があった。
「僕の勝手なビジョンですけれど、まずはパリのオリンピックに行って、パリのオリンピックで活躍して、WNBAかヨーロッパのチームからオファーをもらって、海外に行ってほしい」と恩塚。そのためにも、大学に入る前にBWBキャンプで世界を経験できたことは大きな意味を持つはずだと期待している。
「あの時があったからこそっていう経験にしてほしいなって思います」