イチ流に触れてBACK NUMBER
最多得票のイチローさえも脇役に。
カル・リプケンJr.、最後の球宴。
posted2020/04/21 11:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
ロサンゼルス・タイムズ紙は15日(日本時間16日)、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長の話として「大勢の人が集まるスポーツやコンサートなどのイベントが市内で再開できるのは、2021年になるかもしれない」と伝えた。
その一方でMLBのロブ・マンフレッドコミッショナーはAP通信の取材に対し「すべての可能性を探る義務が我々にはある」と語った上で「どのような立場であれ、状況の変化を見守って情報を集め、何が可能か現実的な選択をしなければいけない」と話した。
また、選手会のトニー・クラーク専務理事は、全国紙USAトゥデー(電子版)に今季開催を諦めていないとし「すべては2点にかかっている。どれだけ検査できるかとワクチン」と述べている。
こうした混迷が続く状況下で、米政権で新型コロナ対策チームの中心的な役割を担う国立アレルギー感染症研究所長のアンソニー・ファウチ氏が条件付きで今夏の開幕は可能だとの見解を示したと、スポーツ専門局のESPN(電子版)が伝えた。
ファウチ氏が開催実現へ向けて挙げた条件は3つ。「無観客」「選手のホテル隔離」「週1回のウイルス検査」。同氏の発言はMLBが模索するアリゾナ州やフロリダ州での代替開催を指してのものだろう。前を向ける話に少し心が晴れたが、実現へのハードルはかなり高いと感じる。
酷暑の連戦、クラスター対策……。
このNumberWebのコラムでアリゾナ在住の野球記者である四竈衛氏も指摘したように、アリゾナはこれから40度を超える酷暑が控えている。フロリダとてそれは似たようなものだ。この環境下で選手は連戦に耐え得るのであろうか。
また無観客とは言え、試合を行うためには選手、チーム関係者、審判、テレビ中継関係者、メディアなど、少なく見積もっても1試合あたり200人は集まる。クラスター対策は本当に大丈夫なのだろうか。
万が一、開幕後に選手や関係者から感染者がでれば、即中断は目に見えている。そうなれば、その後の再開へのハードルはより高くなる。14日にフォックス・ビジネスにテレビ出演した際のマンフレッドコミッショナーの発言は重いと感じる。
「選手やファンにとって、安全に試合ができ、尚且つ、感染が悪化しないようになるまで、野球は戻らない。これが唯一決まっていることだ」