箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根に関東インカレ中止の影響は?
出雲や全日本は主力不在の可能性も。
posted2020/04/08 11:40
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
箱根駅伝を走る関東の学生にとって非常に重要な大会である関東インカレ(関東学生陸上競技対校選手権大会)の5月開催の中止が決まった。
コロナウイルスの拡大によって5月の開催が危ぶまれており、関東学生陸上競技連盟のホームページ上では5月7日までに最終判断を下すという案内があったが、6月末の日本陸上選手権の延期を受け、それに倣う形で決まったようだ。
いろんなスポーツ同様に学生スポーツ、箱根を戦う陸上部にも大きな影響が出ている。
3月の学生ハーフが中止になり、ロードシーズンを締めるレースができなかった。例年、この大会で結果を出した選手は箱根駅伝でも好走するケースが多いが、今年はその結果とともに、選手たちのロードシーズンの成長を実戦で確認することができなくなった。
4月からトラックシーズンに入ったが、大会や記録会が次々と中止、延期になっている。そして4月3日に、は日本陸上競技連盟が6月末までの陸連主催、後援の大会はすべて中止、延期を要請するという発表をした。関東圏の大学の陸上部も現在は活動を中止、あるいは自粛しているが、再開の見通しはたっていない。
7月にはホクレン・ディスタンスや関東学生網走夏季記録挑戦競技会を始め大学の記録会やレースが開催予定だが、これも実施できなくなると上半期はノーレースという異常事態になり、「空白の上半期」になってしまう。
それは、チームに、選手にどんな影響を及ぼすのだろうか。
この時期に出すタイムの意味。
4月からのトラックシーズンで選手たちは、1500m、3000m障害、5000m、1万mの個人種目にフォーカスし、自己ベストや2021年の主要レースに出場するための参加標準記録をクリアすることを目標にしている。
だが、このまま大会や記録会がなくなるとタイムを残せなくなり、来年度の大会出場権を失ってしまう。これについては救済処置が取られる可能性があるが、現在のところ未定だ。