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“写真家”ランディ・ジョンソンも!?
911の時のWシリーズ、濃厚な思い出。
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![ナガオ勝司](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2020/04/05 11:30
![“写真家”ランディ・ジョンソンも!?911の時のWシリーズ、濃厚な思い出。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/d/0/700/img_d088a9ab4f602ccf090f85c79dd2cabc151026.jpg)
カーレースの写真を撮影していた当時の、“フォトグラファー”ランディ・ジョンソン。
911とワールドシリーズ、奇跡の思い出。
去年の春、当時ダイヤモンドバックスに所属していた平野佳寿投手を取材した時もそれは変わらなかった。球団の特別補佐役としてキャンプ中に姿を現した彼は、2001年のワールドシリーズ優勝について、雑談の中でさえ丁寧にこう教えてくれたのである。
「私はメジャーリーグで21年間プレーしたけれど、ワールドシリーズに出場したのも、優勝したのも、あの時限りなんだ。あの年は“911(同時多発テロ)”があってシーズンが中断し、残りのシーズンがどうなるか分からなかったんだ。自分が殿堂入りしてから分かったのは、殿堂入りするような素晴らしい選手でも、ワールドシリーズに出場したことがない選手は多くて、それがいかに幸運なことなのかということだ」
確かにその通りだ。同時多発テロが起きた当時、今と同じように人の集まるイベントや、バス停や通勤電車の駅も危ないなどと言われていた。今とはまったく違う理由で「先が見えない」とか「MLBはこのまま中止にした方がいい」などと訴える人もいたのだ。
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それがテロ発生から約1週間ぐらいで人々の生活がほぼ正常に戻り、MLBが再開できたのは幸運だった。通常よりも1週間遅れでワールドシリーズが行われ、11月になってもヤンキースとダイヤモンドバックスが戦っていたのは幸運だったのだ。
今度は長くなる。誰もがそう覚悟している。
テレビをただ、つけっ放しにしながら、そんな風なことをリアルに感じる日々が続いている――。
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