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こんな時だからこそ思い出す
1995年の野茂英雄と野球の力。

posted2020/04/06 07:00

 
こんな時だからこそ思い出す1995年の野茂英雄と野球の力。<Number Web> photograph by Koji Asakura

メジャー1年目で13勝6敗、防御率2.54の戦績を残した1995年の野茂英雄。最多奪三振(236)とリーグ最多の3完封も記録した。

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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photograph by

Koji Asakura

 50の州とコロンビア特別区(首都ワシントンD.C.)からなる米国は4月1日(日本時間2日)現在、35州以上で合計2億9000万人以上に外出禁止令が出されている。この数は米国の全人口の87%以上に当たると言う。

 日本も各自治体からの外出自粛要請は増える一方だ。春の訪れを実感できるこの時期に自宅に留まる閉塞感は何とも辛いものがある。

 だが、全世界で今はじっと我慢のとき。平穏な日常を取り戻すための唯一の手段として“ひきこもる”しかないのが現実であろう。

 それは、メジャーリーガーも同様だ。リハビリ選手特例で球団施設への出入りが許されているエンゼルスの大谷翔平などを除けば、自宅や個人練習施設などで孤独なトレーニングを強いられている。実技とは程遠い先の見えない基礎練習の日々にモチベーションの維持が難しくなっている。

1995年に感じた野球の力。

 それでも、いつか野球は始まる、更には、野球を含めたスポーツの世界には日常を一変させる大きな力がある。塞ぎ込んでしまった人々の心に、停滞してしまった経済に再びエネルギーを与えるパワーもある。

 そして、その根幹を担うのがアスリートの力だ。彼らが持つその魔力を発揮するためにも1日も早く日常が戻ることを願う。その中で今回は以前、実際に目にした“野球の持つ力”についてふれてみたい。

 先日、ロサンゼルス・タイムズ紙は1995年に日米で一大旋風を巻き起こした野茂英雄氏を特集した。ストライキとコロナウイルス感染渦の違いはあれ、停滞してしまったMLBを救ったヒーローとして当時を回顧したのだった。

 記事では、日本球界から初めてやって来た投手がチーム内でその実力に疑念を抱かれながらも奪三振の山を築き、チームを勝利に導き、評価を変えて行ったことを振り返った。

【次ページ】 いまだに球宴の先発は野茂だけ。

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