「金が王様」という状況の終わり？
コロナが変えたスポーツの優先順位。

　暖かな春の日差しに誘われて散歩していると、近所の顔なじみが正面の歩道から歩いてくるのが分かった。わざわざ避けて通るようなことはないし、「Hello」とは言ってはみるが、それ以上は近づかない。お互いに元気なのを確かめ、すれ違い、思い思いの方向に歩き出す。

　イリノイ州シカゴ郊外の4月1日は、そんな感じだった。

　もう1週間以上、レストランやバーはずっと閉店したままで「Take out＝お持ち帰り」やドライブスルーだけが営業している状態だ。スーパーマーケットでは小麦粉や消毒液などがいつも在庫切れで、「1人1個」と購入が限定された9ロール入りのトイレットペーパーを手に入れることができれば「ラッキー」と思えるぐらいだ。

　シカゴ市内の通信関係の会社で働く友人は電話で、「通勤電車がガラガラでいい」と教えてくれた。自家用車で通うこともあるそうで、「高速道路がクリスマス休暇なみに空いている」と言う。

　ダウンタウンで営業している店は皆無で、社内も「どうしても出勤が必要な人以外」の通勤を禁じているため、「今まで見たこともないぐらい」閑散としているらしい。

5月1日の解除の真実味は？

　その日、カブスとホワイトソックスの本拠地シカゴを持つイリノイ州のJ．B．プリッツカー知事が、3月20日に州民に通達していた「外出禁止令」を当初予定の「4月7日まで」から「4月30日まで」に延期した。

　これに準じて同州では大学や高校などの各教育機関も春休み明け（7日）からの再開を断念しているが、それらが5月1日に解除されるとは誰も思っていないし、思えない。

　新型コロナウイルスの流行は、4月1日の日中には世界中で88万人を超える人が感染して4万4000人以上の死亡が確認されている。合衆国では同日、世界最多の20万人以上の感染者を出し、4400人以上もの人々の死亡が確認されている。それらの数字は、このコラムが公開される頃にはさらに増えているだろう。

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