酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
甲子園出場→東大合格者が出たけど。
MLBでハーバード大卒は珍しくない!
posted2020/03/20 19:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
2018年の春の甲子園に出場した静岡高校の梅林浩大が今春、東京大学理科一塁、もとい理科一類に合格した。一浪こそしたが甲子園と東大、高校生の「究極の目標」を共に達成したわけだ。「文武両道これに極まれり」という感じだろう。
甲子園球児で東大に合格したのは、2005年高松高校で選抜に出場し、二浪して文科三類に入学した中村信博(現NHKアナウンサー)以来だ。
私は仕事で何度か東京大学に行ったことがある。初めて行ったときは、私大辛うじて卒の私にはアウェー感が半端なかった。入口に「偏差値カウンター」みたいなものがあって、私が通ったらピピッと鳴ったりしないかと思った。そういうコンプレックスは多かれ少なかれ持っている人が多いと思う。
甲子園、東大に行くという超人性。
甲子園は全国4000校からわずか49校(春は32校)しか選ばれない。ベンチ入りする選手は各校18人だから夏は882人、春は576人。全国の高校球児は約14万人。全体のうちで経験できるのは0.4~0.6%という狭き門だ。
一方、東京大学の合格者は毎年3000人余、18歳人口は118万人だからこちらも0.3%という狭き門だ。
そして甲子園に行く努力と、東大に行く努力は、方向性が全く違う。「精神力」とか「地頭の良さ」などの資質は共通するかもしれないが、3年間と言う限られた時間で、全く違う種類の努力を同時にしなければならない。日本的な常識で言えば「超人的」ということになる。
2019年夏の甲子園に出場した49校について、2019年度の東大合格実績を調べた。東大合格者数は公式ではなく、受験関係サイトなどから独自に調べたものだ。浪人含む。2019年に東大合格者を出した学校は49校中6校だった。
1.智弁和歌山(和歌山◎)10人
2.静岡(静岡◇)7人
3.国学院久我山(東京◎)4人
4.作新学院(栃木◎)1人
4.米子東(鳥取◇)1人
4.宇和島東(愛媛◇)1人
※◎は私立、◇は県立