酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
甲子園出場→東大合格者が出たけど。
MLBでハーバード大卒は珍しくない!
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/03/20 19:00
2020年、東大を率いる井手新監督(右)と笠原主将。彼らのような存在がプロに近づく実力をつければ野球界もさらに盛り上がりそうだ。
松井の元同僚ムッシーナも名門大卒。
データサイト「Baseball Reference」によれば、ハーバード大出身のメジャーリーガーは過去に33人、世界大学ランキング4位のスタンフォード大学からは102人いる。
なお同大出身で松井秀喜の同僚でヤンキースのエースだったマイク・ムッシーナは270勝を挙げ、昨年野球殿堂入りした。6位のプリンストン大学からは31人、8位のイェール大学からは30人もいる。
つまりアメリカでは、超一流大学を経てメジャーの舞台で活躍する選手は珍しくもないのだ。
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まだ10代の内から「君は野球、君は勉強」と決め打ちをする日本のやり方は正しいのかどうか。志を持てば、いつからでもどんなレベルからでも、トップを目指すことができる。そんな環境の方が健全な気がする。
東大の元監督が言っていたこと。
「野球をやると頭がよくなって、勉強ができるようになるんです」
一昨年7月、東大球場で開かれた野球の普及活動イベント「東大球場スポーツデー」で、東京大学硬式野球部の浜田一志監督(当時)は、多くのお父さん、お母さんを前に、にこやかにこう言った。
浜田監督のこの言葉は「文武両道」で始まった日本野球の原点を感じさせる。
そうなのだ。「野球ができること」と「勉強ができること」は、決して相反する目標ではないのだ。
新型コロナ禍で現在の日本は重苦しいが、どっちも楽々とこなすような本当のエリートがどんどん出てくれば、日本の将来は明るいのではないか。