濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
道場マッチに後楽園、路上プロレス。
マット界の無観客試合は多種多様。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/03/12 20:30
3月8日のスターダム後楽園ホール大会。無観客の会場は異様な光景だったが、スモークを使った演出など独自の楽しさも。
プロレスの“見せ方”を広げることに。
東京女子プロレスは1試合5分の特別ルールで21人参加のトーナメントを1大会で敢行。
DDTグループのガンバレ☆プロレスは勝村周一朗vs.翔太のシングルマッチをゲリラ配信している。レフェリー1人、中継スタッフ1人と、その場にいたのは4人のみ。要は心意気だけ、予算ゼロ円の闘いだった。
非常時の苦肉の策である無観客試合は、プロレスの“見せ方”を広げるものになったと言っていい。
無観客試合、選手のテンションは?
3月8日には、スターダムが“聖地”後楽園ホールで無観客大会を開催、YouTubeで無料生中継している。
タイトルマッチが複数ラインナップされており、やらなければ先に進めない大会だった。
取材陣も検温してから入場と、考えうる限りの対策を講じて開催された“後楽園無観客試合”は、やはり異様な光景ではあった。1000人以上のキャパだから、道場マッチとも違う。
「応援してくれる人がいないと、試合をしていてもただただ痛いんですよ。早く会いたいです、ファンの人たちに」
そう語ったのは木村花。「画面越しでも私が伝えたいことは変わらない。相手をぶっ倒しにいくのは無観客でも同じ」と語ったジュリアも「お客さんの声が大事なものだというのは分かった」と付け加えている。
「選手は“負けるな!”という声を聴くと立ち上がることができるので」
観客の存在はショーとしての雰囲気だけでなく、選手のテンション、アドレナリンの出方にも影響を及ぼしているのだ。