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無観客開催・春場所の危機を好機へ。
朝乃山、炎鵬、徳勝龍らに注目!

posted2020/03/07 08:00

 
無観客開催・春場所の危機を好機へ。朝乃山、炎鵬、徳勝龍らに注目!<Number Web> photograph by Kyodo News

朝乃山にとって、大関取りの絶好の機会となるはずの春場所。無観客の困難を乗り越え、思い切った取り組みを期待したい。

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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Kyodo News

 新型コロナウィルスの感染拡大の影響で大相撲春場所は無観客で開催されることになった。過去には終戦間際の昭和20年6月場所が非公開で行われたが、このときは傷痍軍人らが招待されており、完全な無観客となる本場所は今回が史上初となる。ただし、NHKの中継は通常どおり放送される。

 政府の要請を受け、相撲協会は実質的に「中止」か「無観客」の二者択一を迫られていたが、ケガで休場が見込まれているケースを除けば、力士にとってはたとえ無観客でも開催が決定したことに胸をなでおろしたことだろう。

 彼らは一枚でも番付を上げるため、命を削る思いで日々、鍛錬に励んでいる。仮に中止となれば、その機会が奪われることになってしまう。

 年6回の本場所は観客あっての興行であるのはもちろんだが、根源的には日ごろの稽古の成果を試す技量審査の場である。力士の現役生活は決して長くはない。ましてやこの春場所で引退を決めていた力士も少なからずいるだろう。

 加えて大相撲のテレビ中継は常時、高視聴率をマークし、優勝が決まる千秋楽は平均視聴率が20%を超えることも珍しくない。本場所を楽しみにしている相当数の国民が存在しているということだ。

 無邪気な正義感や倫理観を盾に声高に「中止」を叫ぶ輩が醸し出す沈滞ムードに流されることなく、感染拡大防止を最大限、勘案したうえでの相撲協会の英断は、個人的にはちょうどいい落としどころだったように思う。

白鵬も無観客開催には戸惑いを隠せず。

 さて、無観客で行われる本場所がどのような様相を呈するのか、全く予想がつかない。

 優勝43回を誇る横綱白鵬ですら「こういう形で相撲を取るのは初めて。正直、想像できない」と戸惑いを隠せず、観客が1人もいない結びの一番を映し出すテレビ画面は、さぞかし異様に映ることだろう。

 そんな非常事態下で関脇朝乃山が大関取りに挑む。

【次ページ】 38年ぶりの一人大関は、危機か好機か?

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