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バスケ日本代表、五輪へリスタート。
台湾戦快勝でも「上を見続ける意識」。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYoshio Kato/AFLO
posted2020/03/01 20:00
宇都宮の同僚、田臥勇太の「0」番を背負い代表デビューしたロシター。先発出場でチーム最多タイの17得点をあげた。
ディフェンスの強度を上げるために。
ホームでの中国戦は新型コロナウイルスの影響で延期となり、エドワーズは千葉ジェッツの試合で負傷して、代表戦に出られる状態ではなかった。だから、ロシターは、当初のプランとは“異なり”、台湾戦に出場することになった。
では、リスタートを切った日本代表のメインテーマはどこにあったのか。
それはディフェンスの強度を上げるための、意識ときっかけ作りである。
日本代表のディフェンスの強度の問題について、相手の1回の攻撃あたりの得点数(日本にとっての失点数)を例にラマスはこう話している(以下、「ポゼッション」というのはボールを保持し始めてからシュートやターンオーバーの末に、相手にボールが渡るまでの一連の攻撃を意味する)。
1回の攻撃で失う点数が約1.6倍に増えた。
「我々はW杯の予選の試合で、ポゼッションごとの平均失点が、0.75でした。(予選で対戦した)アジアとオセアニアのなかではオーストラリアにつぐ好成績でした。しかし、W杯では、これが1.22となってしまいました」
このデータだけでは、イメージがわきづらいかもしれない。対戦相手が速攻を次々と繰り出す攻撃回数の多いチームか、攻撃する側に与えられた24秒をじっくり使いながら良いシュートを打つ可能性を探る遅攻型のチームかによって、1試合のポゼッション数が変わってくるからだ。
端的にいうと、アジア予選での戦いから、世界の強豪との戦いへ駒を進めたなかで、相手の1回の攻撃で失う点数が約1.6倍に増えたということを意味する。それまで60失点していたチームが、96失点するようになったイメージである。
世界を相手にしたときに、日本の守備はもろさを露呈してしまった(こうなることがW杯直前に予想できていたから、日本代表は本大会でポゼッションの数を減らすために、攻撃のペースを落とすことにした)。