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バスケ日本代表、五輪へリスタート。
台湾戦快勝でも「上を見続ける意識」。
posted2020/03/01 20:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Yoshio Kato/AFLO
本質に、目を向けないといけない。
2月24日のチャイニーズ・タイペイ(以下、台湾と表記)との試合で新戦力のライアン・ロシターらが、何点獲ったのか。それらはトピックの1つではあっても、メインテーマとはなりえない。
5戦全敗に終わった昨年9月の中国W杯を経て、本格的な活動を再開したバスケットボールの日本代表。彼らが向き合うべきテーマは、別のところにある。
ファジーカスに感謝しているが……。
核心に触れる前に、まず、状況を整理してみよう。
2月3日から5日、10日から12日、都合2回のミニ合宿を経て、17日から代表戦直前の集中合宿が組まれた。
2月21日にホームで中国戦、24日にアウェーで台湾戦と、アジアカップ予選の2試合が予定されていた。アメリカでプレーする渡邊雄太、馬場雄大、八村塁の3人は、所属チーム(とリーグ)に代表戦による中断期間が設けられていないため、今回の活動には参加できない。
だから、今回はBリーグで戦う選手のみで代表チームを構成することになった。
そのなかで、昨年12月に日本への帰化が認められたライアン・ロシターと、今年1月に認められたギャビン・エドワーズの参加が予定されていた(国際バスケットボール連盟のルールでは16歳を越えて帰化した選手は1人のみ試合のメンバーに登録できる)。
ヘッドコーチ(HC)を務めるフリオ・ラマスは、先のW杯に出場した帰化選手のニック・ファジーカスへの考えを踏まえたうえで、帰化選手についてこう話していた。
「帰化選手の枠で、ファジーカス、ロシター、エドワーズの3人がいます。ファジーカスについては知っていますし、彼こそがこの代表を成長させた1つのキーだと思います。彼がいなかったらW杯にも行けなかったと思いますし、それを私は一生忘れない気持ちで、感謝しています。
ただ、今回はロシターとエドワーズの2人を間近で見たいなという気持ちが芽生えました。2人と話をした上で、ロシターには中国戦に、エドワーズにタイペイ戦に出てもらう予定でしたが……少し予定が狂ってしまいました」