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アイスホッケーよりアイスクロス!?
究極の氷上バトルに魅せられた男。

posted2020/02/24 19:00

 
アイスホッケーよりアイスクロス!?究極の氷上バトルに魅せられた男。<Number Web> photograph by Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

アイスクロスに専念することを決めた山内斗真。好奇心旺盛な青年のチャレンジに注目していきたい。

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

 アイスホッケーのプロテクターを装着した恐れ知らずの選手たちが、コース途中に設置されたヘアピンカープやバンクコーナー、連続バンプや段差などの障害物をかわしながら、高低差のある全長最大約700メートルの氷の特設コースを滑り降りる――。

 アイスホッケー、ダウンヒルスキー、スノーボードクロスの要素を取り入れたアイスクロスは、“氷上のバトル”とも呼ばれる激しいレース競技だ。

 2月14日、15日には「Red Bull Ice Cross World Championship 2020」横浜大会(臨港パーク)が開催され、長さ350メートル、高低差22メートルの特設コースに約7000人が観戦に訪れた。

 男子はアメリカのキャメロン・ナーズ、女子はカナダのマキシー・プランテが優勝した同大会では、日本人はベテランの山本純子、高校生の吉田安里沙が決勝に進出したが、残念ながらそれぞれ1回戦で敗退。

 この過激なスポーツに2018年から挑む、1人の大学生がいる。 

 昨年2月のRed Bull Crashed Ice World Championshipのボストン大会(現Red Bull Ice Cross World Championship)のジュニア部門でファイナルの4人に残り、3位。アイスクロスを始めてわずか半年で日本勢初となる表彰台に上った同志社大学4年生の山内斗真だ。

 エリートカテゴリーに上がった今季は、2月初旬の長野大会で4位と幸先のいいスタートを切ったが、横浜大会では上位進出を果たせず悔しさを味わった。

“新しいこと”への探求心。

 山内は小学1年生の頃からアイスホッケーの選手として活躍している。中学時代はクラブチームで技術を磨き、高校ではインターハイ上位常連の強豪校・白樺学園に進学し、技術を磨いた。「とにかく強くなりたい」という一心で日本一への挑戦を掲げ、ひたすら練習に打ち込んだ。同志社大学入学後、「頑固で、なんでも手を抜けないタイプだし、チャレンジしたくなるタイプ」と練習でも試合でも一切の妥協を許さず、チームを引っ張ってきた。

 そんな山内に大学3年の夏、転機が訪れた。

「小学校の頃からアイスクロスのことは知っていました。大学に入ったときに、アイスホッケーに熱量を注ぐことはもちろんなんですが、新しいことにチャレンジしたいという思いもあって。アイスホッケーだけで学生生活が終わってしまうのは少し寂しいなと。

 そこで、以前から興味を持っていたアイスクロスの大会が初めて日本で開催されるという情報を知り、どうやったら出られるんだろうと思い調べたところ、練習会に2度参加すれば(アイスクロスの大会の)選考会に出場できるということでまず練習会に参加しました。その後、選考会では1位通過して、2018年のクラッシュドアイス(当時)横浜大会に出場しました」

【次ページ】 同じ氷上だから、浮気じゃない。

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山内斗真

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