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上村愛子を超えるモーグルの新星、
川村あんりが見せた衝撃デビュー。

posted2020/01/29 15:00

 
上村愛子を超えるモーグルの新星、川村あんりが見せた衝撃デビュー。<Number Web> photograph by Ski Association of Japan

幼少時からともに練習した平昌五輪銅メダルの原大智からも「おめでとう」とメッセージをもらったと話す川村。

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

PROFILE

photograph by

Ski Association of Japan

 '22年北京五輪の雪上を彩る新ヒロイン候補が誕生した。フリースタイルスキー・女子モーグルW杯に今季初参戦の中学3年生、川村あんり(ジョックス)が、12月7日にフィンランド・ルカで行なわれたW杯開幕戦でいきなり2位になり、表彰台に上がった。'96年3月のW杯で3位になった上村愛子(当時16歳)を超える衝撃のデビューに、スキー界が大いに沸いている。

 東京都東久留米市出身。3歳の冬に初めてスキーに乗ると、以後はスキー愛好家の祖父が新潟県湯沢町に持っているマンションを拠点に、都内から毎週末に滑りに行く日々となった。4歳でモーグルチームに声を掛けられてコブ斜面への挑戦をスタート。現在は湯沢町にある小中一貫の湯沢学園9年生だ。

 今季の最初に立てた目標は「予選通過」だった。ところが蓋を開けてみると想像を超える快進撃。W杯開幕戦の決勝2本目は、第1エアーで「ストレートローテーション360」、第2エアーで「アイアンクロスバックフリップ」を決めて81.26点。'18年平昌五輪金メダルでW杯総合2連覇中の女王ペリーヌ・ラフォン(フランス)には1.46点及ばなかったが、W杯総合優勝経験のある3位のブリトニー・コックス(オーストラリア)には2.97点差をつけた。ナショナルチームの小林茂コーチは「ターンが安定していてスピードを出せる」と長所を挙げる。

日本勢最高のW杯総合3位。

 とはいえ今はほぼ未経験のコースばかりであり、中国・太舞での第2戦は5位にとどまった。原因は第2エアーで高く上がりすぎてバックフリップが回りすぎ、尻もちをついてしまったこと。台の特徴を把握し切れず、踏み切りで力を制御できなかったのだ。

 それでも、15歳にとって失敗はすべて成長の糧。「日本の台では起こらないことが海外の台では起こるので、教訓を練習に生かしたい。失敗しなければ表彰台を狙える。常に3位以内になりたい」と笑顔で前を向く。

 W杯は1月下旬から3週連続で開催される北米シリーズから佳境に入っていく。川村は12月末現在、日本勢最高のW杯総合3位につける。「誰が見ても強いと思う選手、どのコースでも自分の滑りをできる選手になりたい」と目を輝かせる15歳の活躍が楽しみだ。

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