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スケートボード、金メダル争い展望。
堀米雄斗とスーパースターの前哨戦。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2020/02/03 08:00
ストリートスポーツの国際大会「キメラAサイド」で2位に入った堀米。五輪本番で王者・ヒューストンを上回れるか。
世界最高峰リーグで日本人初優勝。
高校を卒業して米国に渡ってプロになった堀米は、2018年5月に世界最高峰リーグである「ストリートリーグスケートボーディング(SLS)」のロンドン大会で日本人初優勝を飾り、脚光を浴びるようになった。
昨年は8月に米ミネアポリスで行なわれたXゲームズで優勝し、9月にサンパウロで行われた世界選手権では優勝したヒューストンに続く2位になっている。トップを争うスケーターの中枢にいることに疑いはない。
「東京五輪に向けては、スキルをもっと上げるのと、そのトリックをいろいろなものに対応できるようにレベルアップしないとダメだと思いました」と課題を語る姿には、東京五輪で頂点を目指す者にふさわしい決意がにじんでいた。
今大会にはスケートボード・ストリートの他に、東京五輪の新種目である自転車BMXフリースタイルパーク、パリ五輪から採用が見込まれているBMXフラットランドなど、4種目のトップ選手64人が集まった。
観衆は2日間で2万3000人で、その多くが家族連れ。会場内では子どもたちが目をきらきらさせてあこがれの選手を見つめていた。
日本の子どもたちのアイドルに。
会場外でも印象的な光景があった。
決勝日の試合開始前に会場の周りを歩いていると、背後からガリガリというスケートボードに乗る音が聞こえてきた。すると、遥か前方にいた4、5人の子どもたちが歓声を上げて一目散に走ってきた。
「ナイジャ!ナイジャ!」
ママたちも来て、遠巻きに彼らを眺めている。スーパースターは自身の腰ほどの高さではしゃぐ子どもたちとの記念撮影に応じると、再び笑顔でボードを漕ぎ、風のように去って行った。
ヒューストンはすっかり日本の子どもたちのアイドルになっていた。