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スケートボード、金メダル争い展望。
堀米雄斗とスーパースターの前哨戦。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2020/02/03 08:00
ストリートスポーツの国際大会「キメラAサイド」で2位に入った堀米。五輪本番で王者・ヒューストンを上回れるか。
「大技というか、あれは自分の得意技」
予選からの採点の動向を見て、「ギャップtoレイル」を選ぶべきと考えた堀米は、このセクションに向かって滑り出した。
勝つための作戦を練り、セクションを先に決めてからそこでできる自分の最高難度技として選んだのは「ノーリー270スイッチバックサイドリップスライド」。
「大技というか、あれは自分の得意技。今回のように、大きなセクションでやるとなると、新しい技を出すのは難しいので、自分の得意なトリックで、ぎりぎりのものを乗りました。トリックの出来としては良かったです」
結果は、93点だった堀米に対して、大技の「キャバレリアルバックサイド・ノーズブラント」を完璧にメイクしたヒューストンが97点を出して、ランとの合計187点で優勝した。
白旗ではなく、戦略についての考え方。
180点で2位となった堀米は、悔しさを率直に口にした。
ヒューストンとの差について聞かれると、「そんなに差はないと思う」と即答しながら、そのうえで現状について冷静に分析した。
それは「勝つためにはもう1個、大きいトリックを持ってこないとダメなのかなと思いました」ということ。
ただしこれは白旗ではなく、戦略についての考え方。別の質問のときには「自分の新しいトリックでメインセクションに対応できれば優勝も狙えたのかなと思いました」とも語っている。
一方で、ヒューストンを素直に称える言葉もあった。
「ナイジャは多くの経験をしてきている。(97点を出した)最後のトリックも、練習中は1回も決めていなかったけど、一発で決めていた。それも凄いと思いました」