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秋山翔吾、筒香嘉智、山口俊。
3人の侍が挑むそれぞれのハードル。
posted2020/01/13 11:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
新たなる3人の侍。彼らの挑戦がまもなく始まる。
秋山翔吾外野手、31歳。
埼玉西武ライオンズからフリーエージェントの権利を行使し、メジャー最古の古豪であるシンシナティ・レッズへの入団が決まった彼が手にした契約は3年総額2100万ドル(約23億円)。年俸はスライド式で'20年が600万ドル、'21年700万ドル、'22年800万ドルで推移し本人の意向なしにマイナー降格は出来ない契約になっている。
一般的な昨今の例から考えるに、この契約が意味するものは“準レギュラー保証”と言える。
少なくともレッズはキャンプからオープン戦、そして、シーズンイン後も無条件で100打席はレギュラーとしての出場機会を与えるだろう。その中で、秋山が日本時代同様のパフォーマンスを発揮することができるのか。完全レギュラーの座を掴む勝負の場と言える。
高い出塁率を誇る秋山への期待。
秋山のセールスポイントが高い出塁率にあるのは言うまでもない。
ライオンズで残した'17年の.398、'18年の.403、'19年の.392は1番打者としてこの上ない数字であり、さらに彼は25本塁打、24本塁打、20本塁打を記録した。打者有利のバッターズ・パークとして知られる本拠地グレイトアメリカン・ボールパークならば、日本時代同様の成績が残せるのではないか。レッズの期待はここにある。
その秋山が直面する当面の課題はタイミングになるだろう。過去、海を渡った日本人野手のすべてが対応を強いられてきた部分だ。
言われ尽くした表現だが、メジャーの投手と日本の投手では投げる間合いが違う。メジャーの投手が「1・2・3」のタイミングでクイックに投げるのに対し、日本は「1・2・の・3」のイメージだ。
メジャーの投手が短い間合いで投げるボールは150キロ以上のスピードでムービングし、4シームは160キロ近いスピードで高めのストライクゾーンにズドンと来る。
日本から来た野手には間合いを省くことが強いられ、その中で自分なりのタイミングをつかむことが求められる。左足を大きく上げて打つ秋山にも適応が求められるだろう。