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斎藤佑樹、独占インタビューで語る。
「自分が野球選手であることの意義」
posted2020/01/07 11:50
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Shigeki Yamamoto
――2019年はオープン戦から好調で、開幕戦でもリリーフ登板して1イニング無失点で逆転勝利につなげました。
シーズンの最初は良かったと思います。ボールの精度も、投げている感じも。「これで1年、やっていけるかもしれない」という手応えがありました。
――オープナーやロングリリーフといった今までと違う起用法もありましたが、どのように感じていましたか。
2月、キャンプに入るときに「こういうポジションがある」と伝えられて、大きなチャンスをもらえたと思いました。今の自分のボールでは、一軍で先発して7、8回まで抑えるのは難しくなっていますけど、打順ひと回りを抑えて、それを成功だと言ってもらえるポジションを与えられたので。その戦術を考えてくれた、栗山(英樹)監督には感謝しています。
――「打順ひと回り」を抑えるために最初から全力で行くのか、3イニングのペース配分をするのか、その判断は難しくなかったですか。
準備の仕方は先発と同じでしたが、登板したら中継ぎのつもりで最初から全力で投げました。実際にやってみるとそう簡単にはいかなかったですけど、このポジションがなくなったら自分が野球を続けるのは難しくなると思っていましたし、フィットしなければならないな、と。
オフに着手した「体幹を使って投げる」。
――その後は調子を落としてしまいましたが、好調を維持するのは難しかったですか。
自分が投げているボールが一軍で通用するかどうかのボーダーラインはわかっていて、シーズン当初はボーダーよりも上にいたんです。それが疲れが溜まってきたり、ボールに指が掛からなくなってきたときにボーダーラインの下に行ってしまうという……これは技術というより、コンディショニングの問題でした。
――具体的にはどの部分のコンディションですか。
やっぱり、肩ですね。2012年に故障したこともあるかもしれませんが、キャンプから飛ばし過ぎると肩のスタミナに影響してくるなと。キャンプから結果を残さなければならない立場が続いているので、どうしても最初から飛ばさないといけないんですけど。
――それをわかった上で2020年シーズンを迎えるわけですが、どのように対策していますか。
そのためにこのオフは肩のスタミナも上げつつ、肩に頼らない、体幹を使って投げるということに取り組んで、キャンプでもしっかりとケアをしていきたいと思っています。
――このオフの自主トレでは「トータル・ワークアウト六本木ヒルズ店」に新設された、動作を解析し、トレーニングにすぐ反映できる「バイオメカニクスステーション」を使っています。
今まではジムで身体を作ってから、グラウンドに行って試すということにもどかしさを感じていましたが、ここではトレーニングしてからすぐに投げて足りない箇所を知ることができるので、このスピード感でできるのは嬉しいですね。