第96回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER

同校初の3年連続シード権を狙う拓殖大学。
中央学院大学は悔しい昨季の雪辱を期す。 

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箱根駅伝2020取材チーム

箱根駅伝2020取材チームhakone ekiden 2020

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photograph byNanae Suzuki / Yuki Suenaga

posted2019/12/19 11:00

同校初の3年連続シード権を狙う拓殖大学。中央学院大学は悔しい昨季の雪辱を期す。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki / Yuki Suenaga

芽生えてきたエースとしての自信。

「チームの底上げもそうですが、加えて、箱根駅伝で失敗した後、自分の結果にもこだわっていこうと思いました。そのためには今までの練習ではダメだと考えて、監督と相談して練習スタイルを変えました。それまで自分は人に合わせて走っていただけで、単独走が出来ないという課題があったので、4年生になってからはひとりで練習する機会も多くするようにしました。その甲斐もあって、自分でペースを作って走るということが出来るようになったと思います」

 今季は4月の金栗記念選抜陸上の5000mで、ようやく高校時代のベストを更新する14分11秒62の自己新記録を出した。その後の関東インカレなどでは思うような結果を出せなかったが、9月の競技会では10000mで28分27秒90を記録。数字的にも日本人エースの自負を持てるようになった。

 駅伝シーズンに入ると、出雲駅伝の1区で区間3位の好走。さらに11月の全日本大学駅伝では3区を走り、東洋大・相澤晃(4年)の驚異的な区間新には及ばなかったものの、優勝した東海大の塩澤稀夕(3年)と同タイムの区間3位に食い込んだ。前年に東海大の館澤亨次(4年)が出していた区間記録も12秒上回る33分57秒で、チーム順位を13位から6位まで押し上げた。

「10000mで自己新記録を出したという結果があったので、自分の中でも1kmを2分55秒ペースで押していくことに恐さがなくなりました。それで全日本大学駅伝でも、『絶対に行けるだろう』という自信が持てて、良い走りができました。今季の夏合宿でもしっかり練習が出来ていたし、山下拓郎監督からも『今まで見てきた拓大の日本人選手の中でも、お前が一番強い』と言われたので、その後押しもあって自信を持てるようになりました」

 赤﨑は11月の上尾ハーフマラソンでも、優勝したレメティキと15km過ぎまで競り合い、1時間1分46秒の自己新で2位。ハーフマラソンの自己記録を一気に1分21秒も更新する好調さを見せている。

後輩たちが失敗したとしても。

 チーム状況を見れば10000mで27分台の記録を持つレメティキと、赤﨑が突出している状態で、3番手との差は少し開いている。10000mで29分10秒台の記録を持つ石川佳樹や吉原遼太郎に、ハーフマラソンで1時間3分47秒を持つ松岡涼真など、前回の箱根駅伝を経験している3年生たちがどこまで調子を上げてくるかが今季の結果を左右しそうだ。赤﨑とレメティキを前半で並べれば、チーム全体がうまく流れに乗れる可能性もある。

「今季はひとりで淡々と走れる力がついてきたので、そういう区間が自分の力を一番発揮できると思います。できれば2区か3区で、しっかり流れを作ることが出来たらいいなと。それに自分の中では、『日本人エース』といわれるのではなく『W(ダブル)エース』といわれるようにもなりたい。心の中には『ラジニにはどうしても負けたくない』というのもあるので、いつも彼に勝つつもりでやっています。そこでしっかり勝って、最後の箱根駅伝は『花の2区』でしっかり自分の走りが出来ればいいなとひそかに思っているんです」

 前回は自分が失敗をしても、先輩たちが助けてくれた。だからこそ、今季は後輩たちが失敗しても、その失敗を取り返せるような走りをしたいという赤﨑。卒業後は地元九州の九電工に入ってマラソンに取り組むという。赤﨑にとって最後の箱根路は、将来への足掛かりを作る大会にもなるはずだ。

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