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サイ・ヤング賞投票の日本人記者語る。
勝利数より奪三振、そして説明責任。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/11/17 11:30
奪三振が多く、四球が少ない。そしてホームランを打たれない。11勝でもデグロムの1位は誰もが納得だ。
まず12人をリストアップ。
サイ・ヤング賞への投票は今年で2年連続3度目になるが、今年の場合、まずは投手主要3部門のタイトル獲得者として、最多勝(18勝)のスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)、最優秀防御率(2.32)の柳賢振(ドジャース)、最多奪三振(255)のジェイコブ・デグロム(メッツ)の3人を候補者にした。
次にナ・リーグ最高WHIP(0.97)のジャック・フラハティー(カージナルス)、同最多QS(24)のパトリック・コルビン、同最高K/BB(7.36)のマックス・シャーザー(ともにナショナルズ)と3人の有力な候補者を加え、これで計6人。
さらに勝利数2位(17勝)のマックス・フリード、防御率3位(2.68)のマイク・ソロカ(ともにブレーブス)、被打率2位(.196)・被OPS3位のソニー・グレイ、被打率(.202)をリーグ3位に抑えたルイス・カスティーヨ(ともにレッズ)、QS率1位(79%)のクレイトン・カーショウ、K/BB3位のウォーカー・ビューラー(ともにドジャース)らも候補に加え、今年はこの12人から上位5人を選出することにした。
1位は文句なし。2位は迷った。
1位票(7ポイント)は、デグロム(メッツ)に入れた。
デグロムはナ・リーグ18位タイの11勝止まりだが、昨年10勝で同賞を獲得しているので、そこはハナから問題視しなかった。
前出のようにリーグ最高の奪三振を筆頭に、WHIP(0.97)、ERC(2.22)などがリーグ1位で、被OPSやQS率、DIPSなどの数字が軒並みリーグ上位なので、他の28人の記者同様、疑う余地など何ひとつなかった。
2位票(4ポイント)はフラハティー(カージナルス)に入れた。
結果的にもっとも2位票を集めたのは柳であり、次点がシャーザーだったから、私と他の4人の記者は少し奇をてらった形になった。なぜか?