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エリザベス女王杯は「超牡馬級」。
大器ラヴズオンリーユーが大本命。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/11/09 19:00
キャリアわずか4戦でオークスを制したラヴズオンリーユーの底はまだ見えていない。
オークス馬には嫌なデータがあるが……。
オークス馬が同年のエリザベス女王杯に出走するのは、'14年のヌーヴォレコルト(2着)以来となる。秋華賞創設にともない、古馬も出られるようになった1996年以降、同年のオークス馬がここを勝ったのは'13年のメイショウマンボだけというのは嫌なデータだ。
先代の無敗のオークス馬カワカミプリンセスは秋華賞を勝ち「無敗の牝馬二冠馬」となってエリザベス女王杯に出走したが、1位入線も、直線での斜行のため12着に降着となった。が、現在の降着ルールなら1着になっていたと思われる。結局、秋華賞が最後の勝利となった。
ほかの「無敗のオークス馬のオークス後」を見ていくと、'43年のクリフジは勝ちつづけ、オークス・ダービー・菊花賞の「変則三冠」を含む11戦11勝で引退。'46年のミツマサは、重賞を勝つことができずに終わった。
'57年のミスオンワードは連闘でダービーに臨み、17着に大敗。菊花賞も10着に敗れた。翌年の目黒記念・秋を優勝し、つづく天皇賞・秋で2着と強さを見せたが、オークス後の重賞勝ちは、その目黒記念だけだった。
ラヴズオンリーユーはクリフジ級の無双ぶりを見せてくれるか、期待したい。
GI初制覇がここになる馬も多い。
ということで、印を。
◎ラヴズオンリーユー
○クロノジェネシス
▲ウラヌスチャーム
冒頭に記した内容と矛盾したことを言うようだが、エリザベス女王杯は、'15年マリアライト、'14年ラキシス、'12年レインボーダリアがそうだったように、「重賞初制覇がGI勝ち」となるケースも多い。そのパターンにハマりそうなのは、栗東滞在策を取ったところも'09年のクィーンスプマンテを想起させるウラヌスチャームか。
◎と○の馬連1点。▲のがんばれ馬券(単複)を買って楽しみたい。