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「東京五輪で金」への秘密兵器!
高橋礼、キレと大胆さと制球力。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2019/11/07 12:00
プエルトリコ戦に先発した高橋礼。内野ゴロの山を築き、6回2死まで1人の走者も許さなかった。
初球は135kmのど真ん中の真っ直ぐ。
その中でやはり注目すべきは高橋のストライクをとる力だ。
初回、先頭のオスバルド・マルティネス内野手には初球135kmど真ん中の真っ直ぐでストライクをとり、3球目で三ゴロ。
続く2人目は大リーグのロサンゼルス・ドジャースなどでメジャー経験もあるイバン・デヘスス内野手だったが、これも初球に132kmストレートを真ん中高めに決めると2球目で遊ゴロ。
そして3人目のダニエル・オルティス外野手にも初球137kmの内角ストレートで見逃しストライクを先行させて、カウント1ボール2ストライクからの4球目で遊ゴロに仕留めた。
データのない中でどう攻めるか。
「データのない中でどうやって攻めていくのか。その辺は非常に気を使いました」
こう国際大会の難しさを語るのは、高橋とシーズン中からコンビを組む甲斐拓也捕手(ソフトバンク)だ。
「初球の入りを大事にしながら、ある程度、勇気が必要なところもありました。何よりやっぱり礼のピッチング、礼がしっかり投げてくれたから。高低、横幅をしっかり使って強気に攻めるところはしっかり攻められていた。僕がどうこう言うより、礼がしっかりと投げてくれたということだと思います」
2回以降も浮き上がる真っ直ぐとスライダーとシンカーを巧みに操って左右、高低とストライクゾーンを目一杯に広げて使い、なおかつタイミングもずらす前後の揺さぶりも冴えていた。
対戦した20人の打者に対して2球目までにストライクが取れなかったのは、3回のウィルフレド・ロドリゲス捕手と5回のハスムエル・バレンティン内野手の2人だけ。