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「東京五輪で金」への秘密兵器!
高橋礼、キレと大胆さと制球力。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2019/11/07 12:00
プエルトリコ戦に先発した高橋礼。内野ゴロの山を築き、6回2死まで1人の走者も許さなかった。
高橋が感じた国際試合の違い。
高橋が感じた国際試合の違いはこうだった。
「こういう国際試合では狙っている球が来たら躊躇なく手を出してくる傾向がある。そこに気をつけないといけないと思いました。
ただ、日本人のバッターのようにインコースの高めのボールに対して、器用に肘を畳んで打てるバッターは少ないので、そのボールをどうやって使っていくか。そこが日本でのピッチングと、こういう国際大会でのピッチングの違いになると思います」
こうして経験値を上げていくためにも、日本で行われるスーパーラウンドでの先発にもさらなる期待が膨らむ。
五輪で金メダルを獲るために。
対戦したプエルトリコのフアン・ゴンザレス監督は「国内ではあのようなスタイルの投手は見たことがない」と評した。ただ高橋の場合は単なるサブマリンというだけではなく、ボールのキレとそのキレを自在に操る制球力、そして大胆に相手打者の懐をつける技術がある。
「140km出ない真っ直ぐなんですが、力強いバッターでも差し込んで、ゴロに打ち取っている。緩急、高低を使いながら、非常に素晴らしい投手だなと、改めて思いました」
こう評したのは試合後の稲葉篤紀監督だ。
星野さんも叶わなかった五輪での金メダル奪回の夢。それを手にするための秘密兵器、いや侍ジャパンの主軸投手の誕生である。