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「東京五輪で金」への秘密兵器!
高橋礼、キレと大胆さと制球力。

posted2019/11/07 12:00

 
「東京五輪で金」への秘密兵器!高橋礼、キレと大胆さと制球力。<Number Web> photograph by KYODO

プエルトリコ戦に先発した高橋礼。内野ゴロの山を築き、6回2死まで1人の走者も許さなかった。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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KYODO

「オリンピックのようにプレッシャーのかかる国際舞台で一番大事なのは、簡単にストライクを取れる大胆さとコントロールなんや」

 こう語っていたのは2008年の北京五輪で日本代表チームの指揮を執った故・星野仙一さんだった。

 星野さんが北京五輪の日本代表チームの編成で絶対に必要な選手として挙げたのが、当時巨人に所属していた上原浩治投手の名前だった。

「あいつは3球で2ストライクがとれる。その大胆さと技術がある。どんな状況になっても上原は連れていく」

大胆にストライクをとれる技術。

 ただこの年の上原さんは開幕からの不振で4月末には一軍登録を抹消され、プロ入り以来初めてのファーム落ちを経験。五輪代表入りも難しい状況だったが、星野さんはひたすら復調するのを待った。

 上原さんもその期待に応えるべく、ファームでの走り込みからフォーム修正と1つずつ階段を登るように自分のピッチングを再構築し、その結果、五輪代表合宿合流直前の7月29日にこのシーズンの一軍初セーブを挙げて復活を果たした。

 五輪でも2試合に投げて無失点と期待通りの国際試合での強さを発揮したのである。

 この細心さの中でも大胆にストライクをとれる技術が国際試合で活躍できるポイントだとすれば、その力を示したのが台湾で行われている「プレミア12」のオープニングラウンド第2戦のプエルトリコ戦に先発したサブマリン・高橋礼投手(ソフトバンク)だ。

 日本シリーズでも巨人を翻弄した地を這うような低い位置から放たれたボールに、プエルトリコ打線の打球が面白いように詰まって凡退を繰り返した。

【次ページ】 初球は135kmのど真ん中の真っ直ぐ。

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