プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「東京五輪で金」への秘密兵器!
高橋礼、キレと大胆さと制球力。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2019/11/07 12:00
プエルトリコ戦に先発した高橋礼。内野ゴロの山を築き、6回2死まで1人の走者も許さなかった。
6回2死まで完全ペース。
6回2死まで完全ペースで、18人目の打者となったジェイ・ゴンザレス外野手に四球を与えて初めての走者を出すと、続く1番・マルティネスへの内角スライダーを打たれて三遊間を破られ初安打を許した。
しかし2死一、二塁の唯一のピンチもデヘススを外角に流れるスライダーで空振り三振に仕留めて切り抜けた。
「自分の武器は真っ直ぐで押すこと。ストレートを軸に、しっかりとストライクがとれた。打者が打ちたくなるようなコースを狙って、そこから曲げたり落としたりして芯を外す投球ができました」
侍ジャパンの未来にもつながる。
6回1安打無失点。ほぼ完璧な投球内容に本人もしてやったりの表情を見せたが、もちろん大胆にストライクをとりにいけたことだけがこの好投の秘密ではない。
「ストライクとボールをしっかり投げ分けること。大胆にいくところは大胆にいこうと試合前にバッテリーで話し合った通りのピッチングができた」
要はきちっとボールがコントロールできていた。星野さんが指摘した大胆さとコントロールという国際試合で必要な2つの要素を、このサブマリンは代表初先発のマウンドで示して見せたのである。
そしてこの白星は侍ジャパンの未来にもつながることになる。
昨年はルーキーながら日米野球の代表チームにいきなり選ばれ、今回が3度目の侍ジャパン入り。もちろんこの先には2020年の東京五輪で金メダルを目指すチームの先発陣の一角を任される可能性が見えてきた。
「日本の打者はある程度、様子を見ながら手探りで打席に入ってくることが多いんですけど……」