熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
1位と2位突破では難易度が雲泥の差。
U-17日本vs.セネガルは決定的に重要。
posted2019/11/02 11:50
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
スコアレスドローで勝ち点1を得て、2試合合計の勝ち点を4に伸ばし、ベスト16入りに大きく前進した。ただし、セネガルが2戦全勝で勝ち点6を手にしており、グループステージ(GS)を首位で突破するためにはGS最終戦(日本時間の3日午前8時開始)でセネガルを倒す必要がある――。
U-17ワールドカップ(W杯)のアメリカ戦は、日本にとって評価の難しい試合となった。最高ではなかったが、さりとて最悪でもなかった、というところか。
この試合の前にセネガルがオランダを3-1で下しており、2試合を終えた時点で日本がグループ首位に立ち、「最終戦でセネガルと引き分けでもGSを首位で突破」という有利な状況を作るにはアメリカに3点差以上で勝つ必要があった。
西川と田中をベンチに置いた。
日本は、3日前のオランダ戦から先発メンバーを2人入れ替えた。試合の終盤、足がつるなど疲れが見えたFW西川潤(桐光学園高/C大阪内定)とボランチの田中聡(湘南U-18)に代えて、FW唐山翔自(G大阪ユース)とMF田村蒼生(柏U-18)を起用。田村は右サイドハーフの位置に入り、成岡輝瑠(清水ユース)がボランチを務めた。
オランダ戦で西川は攻撃の、田中は中盤の守備の軸として非常に重要な役割を担った。2人が先発を外れたことがチームに与える影響が懸念された。
一方、アメリカは大敗したセネガル戦から先発メンバーを5人入れ替え、エースのジョバンニ・レイナ(ドルトムントU-19)をベンチに置いた。
アメリカは是が非でも勝ちたいし、できれば大量点が欲しい状況だった。しかし、スイス人のラファエル・ウィッキー監督は彼我の戦力を冷静に分析し、日本の強みである攻撃陣のスピードを封じるべく守備的に戦い、主としてカウンターに活路を見出す現実的な戦い方を選んだ。
僅差でもいいから勝つこと、最悪でも引き分けて勝ち点1を取り、GS最終戦にベスト16進出の望みをつなぐことを目指したのである。