“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2009年ドラフトの今を検証<ヤクルト編>。
大成せずとも、脇を固めたいぶし銀。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/10/14 18:00
10年目を向かえた荒木貴裕は今季、自己最多となる93試合に出場。どこでも守れる器用さでチームに貢献した。
いぶし銀の光を放った'09年組。
1990年に野村克也が監督に就任してから30年、ヤクルトは6回の優勝して、4回の日本一に輝いた。そのうちAクラス15回、Bクラス15回も悪くない。
この'09年はというと高田繁監督のもとで3位になっている。それならばもっと将来性を志向した指名になってもいいと思うが、5人指名したうち高校生は1人で、大学生、社会人が各2人だった。この5人全員が、私が成功選手の基準とする<投手=50勝(1セーブ、1ホールドは0.5勝)、300試合登板、野手=500安打、1000試合出場>に達しなかった。
ただし、1位中澤、3位荒木、4位平井は今も現役である。
今季は1試合の登板に留まったが、中澤は1年目に先発として7勝9敗の好成績を挙げ、'14年以降はリリーフに役割を変えた。'18年には11ホールドを挙げている。
荒木は10年目の今季、自己最多の93試合に出場し、一塁、二塁、三塁、外野とユーティリティプレーヤーとして重宝された。村上や廣岡大志など若手を支える縁の下の力持ち、というのが現在の役割だ。
平井は右肩の手術の影響で'17年は4試合の登板にとどまり、'18年は一軍の登板がなかった。'19年は完全復帰と言えるほどの安定感はないが20試合に登板して1勝1敗4ホールドを挙げている。
すでに引退している2位山本、5位松井も含め、いぶし銀の光を放つ印象に残る脇役が多い年と言えるだろう。