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苦しみながらも歩む“エース道”。
今永昇太「100%がどれだけ続くか」

posted2019/10/13 19:00

 
苦しみながらも歩む“エース道”。今永昇太「100%がどれだけ続くか」<Number Web> photograph by KYODO

2位で臨んだCSファーストステージでDeNAは今永をリリーフ起用したが、阪神に敗れファイナルステージ進出はならず。

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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KYODO

 横浜DeNAベイスターズの“エース”として確実に階段を昇り始めたシーズンだった。

「僕はまだそんな立場にはないですよ」と、今永昇太はかぶりを振るが、今季の投球内容を見れば、誰もがそう思わずにはいられない。

 25試合に登板し13勝7敗、防御率2.91、170イニングを投げ奪三振は186個。初の開幕投手を任され、チームでただひとり最後までローテーションを守り抜いた。リーグ2位で終えたチームにおける“投の大黒柱”といっても過言ではない。

 だが振り返れば、昨シーズンの今永は開幕から調子を崩し4勝11敗、防御率は6.80と期待を裏切る数字を残している。2016年のデビュー以来、順調に積み重ねてきたキャリアに黄色信号が灯っていた。

「自分のプロ野球人生は長くないな」

「あのときはどん底を味わったし、このままだったら自分のプロ野球人生は長くないなと思いながら過ごしていましたね」

 今永は苦しみの日々を振り返る。

 すべてを変えるきっかけとなったのは、1年前の秋季キャンプだ。喧騒から離れた奄美大島の地で毎日のように木塚敦志ピッチングコーチとフォームの修正に取り組んだ。

「昨シーズンの今永は、試行錯誤の領域を超えたようなイメージがありましたね。それぐらい苦労をしていました」

 そう語るのは木塚コーチであり、今永のフォーム修正にあたってのポイントをいくつか教えてくれた。

「まずは原点に戻って、地面の力をしっかりとリリースに伝えること。フォームには扉を開くような無駄な動作がありましたし、身体を大きく振り過ぎてリリースポイントが定まらず、ボールがストライクゾーンに収まらないことがよくありました」

【次ページ】 小さな箱の中で回転をするように。

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