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『斜め下からカープ論』
データと観察眼で浮かび上がる、
“どうでもいい”事柄に透ける祈り。 

text by

大山くまお

大山くまおKumao Oyama

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posted2019/10/15 07:30

『斜め下からカープ論』データと観察眼で浮かび上がる、“どうでもいい”事柄に透ける祈り。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『斜め下からカープ論』オギリマサホ著 文春文庫 720円+税

 プロ野球にはいろいろな楽しみ方がある。ひいきのチームの勝敗に一喜一憂する楽しみもあれば、選手たちの「これぞプロ!」というプレーに目をみはる楽しみもある。選手や監督たちが織りなす人間ドラマを味わう楽しみも格別だし、記録を集めて数字から浮かび上がる事象を考察する楽しみも捨てがたい。

 個人的に好きなのは「どうでもいい事柄を語り合う」という楽しみだ。愛するチームの選手たちをつぶさに見つめていると、誰も気づかないような(それこそ選手本人でさえ気づかない)、ある意味どうでもいい、だけど、ファンにとってはどうでもよくない事柄が浮かび上がってくる。本書は、まさにそんな一冊だ。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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