“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
2009年ドラフトの今を検証<SB編>。
高校生指名の礎は今宮健太の活躍?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/10/07 18:00
プロ1年目の春季キャンプでの初々しい今宮健太。今シーズン、入団時の背番号「2」を「6」に変えた。
プロ入り10年で花開いた川原弘之。
2位の川原弘之は'16~'18年には育成選手として過ごし、チームの戦力になったのはプロ入り10年目の'19年が初めてという遅咲き。制球難と左肩故障が下積みの原因だが、ストレートの速さを維持しながら10年目に開花する選手は非常に珍しい。今季は19試合に登板して防御率2.66。この数字は立派である。
この'09年以降の10年間、ソフトバンクは今宮を含めて1位で高校生を指名したのは6人と多い。今宮、武田翔太('11年)はチームの主力になり、松本裕樹('14年)、高橋純平('15年)も戦力になっている。今宮の活躍が高校生を主体にしたドラフト戦略の基礎になっていることは間違いないだろう。
今やソフトバンクのお家芸と言ってもいい育成ドラフトに目を移せば、この'09年は1人も指名していない。制度が導入された'05年以降、8人しか指名しておらず、戦力になったのは'06年に指名した山田大樹(現・ヤクルト)1人だけ。育成組が猛威を振るうのは2010年からである。