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磐田は新指揮官とともに浮上するか?
「降格確実」の声も、かすかな光明。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/09/09 18:00

磐田は新指揮官とともに浮上するか?「降格確実」の声も、かすかな光明。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

新監督に就任したフェルナンド・フベロ氏。パラグアイで有力クラブの監督を歴任し、2015年にはグアラニをリベルタドーレス杯で準決勝に導いた。

2連敗も、シュート数は増えた。

 続く第25節、ホームでのサンフレッチェ広島戦でも、よりアグレッシブな磐田が顔を覗かせた。立ち上がりから試合を優位に進め、新指揮官は「前半だけで10回以上のチャンスをつくった」とチームとしてのオフェンシブな姿勢を評価。「足りなかったのはゴールだけ」と結局無得点に終わり、後半の2失点でまたもや初白星は呼び込めなかった。

 それでも指揮官は「相手よりもチャンスを作ったし、前節(C大阪戦)よりも良い内容だった」とチームの改善状況に満足顔も見せた。

 新監督就任後の2試合で共通していたのは、相手以上の攻撃を展開したことだ。C大阪戦、広島戦ともに0−2。厳しい残留争いの中では連敗は容易に受け入れられないものの、新指揮官就任前の4試合がすべて相手よりもシュート数で下回っていたのに対し、この2試合はシュート数でともに12対9と数字では優位に立った。

 クラブ関係者も、前向きにとらえている。

「ホームで2連敗したことは皆さんに大変申し訳ないが、シュート数だけでなく試合内容でも可能性を感じさせる場面が増えたと思う。そういうご意見は、サポーターの皆さんからもいただいたし、終盤戦の反撃へのきっかけになればうれしい」

今野「よりピリピリしたムード」

 最下位にあえぐチームにそうしたアグレッシブな試合内容を可能にさせたのは、これまでよりも明らかに密度が濃くなった練習内容だろう。

 練習場には「攻守の切り替え」、「サイドチェンジ」などを激しい口調で求める指揮官と通訳の声が響き渡る。より実戦的な試合形式を交え、以前よりも長めの2時間を超える練習が連日続いている。

 今夏加入した元日本代表のMF今野泰幸は「これまでよりピリピリしたムードだし、練習時間が長く、負荷も大きく実戦的」と質の高さを感じ取っている。MF山田大記も「攻守においてやりたいことが明確になってきた。それを試合で体現できた部分もあった」と早くも新指揮官効果が表れ始めているようだ。

【次ページ】 選手間の競争が活性化。

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