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渋野日向子は海外でどんな評価?
「プレーもマナーもお手本です」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byMatthew Harris/AFLO SPORT
posted2019/08/21 08:00
日本で大きな話題となっている渋野日向子。全英女子オープン優勝によって海外での注目も集まっているようだ。
“イギリスらしくない”全英だった。
イギリス人のスタップルズは'04年に全英女子を制している。
「私が勝ったのもロンドン近郊の林間コースでした。ウォバーンGCとの大きな違いは、地面が硬かったことです」
地面が硬いとボールが跳ねるしグリーンが速い。攻め方を知らない選手はもれなく苦戦を強いられる。今年は火曜日に雨が降り地面が柔らかくなっていた。さらに、試合期間の4日間はほとんど無風で、ボールが予想外に転がることはない。
今年の全英女子は“イギリスらしさ”がなかったのである。
また、前回に比べてコース総距離が約300ヤードのびたことも、コースマネージメントに影響を及ぼした。3年前にもウォバーンGCで全英女子が行われている。その時に優勝したアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)は「ティーショットや第2打の番手が、前回と違った」と言う。気象条件も相まって、3年前の経験が活きにくい状況であった。
全員にフェアなコンディション――つまり、イギリスで初めてプレーする選手にとって不利ではなかった。
勝負の分かれ目は「第2打」。
コース状況は選手の言葉にも現れていた。通常、リンクスなど難易度の高いコースには「be patient(耐える)」や「defensive(守る)」という言葉を選手はよく使う。しのいで、耐えてチャンスが来る時を待つのだ。だが今回、選手がよく使った言葉は「aggressive(攻める)」だった。
どれだけ正確にピンを攻められるか。
勝負の分かれ目は「第2打」だったとニコルスが分析する。
「渋野の初日と3日目のパーオンは17/18。バーディーを量産した決め手だと思います」
パーオンとは、パーより2打以上少ない打数でグリーンオンすること。17/18とは、18ホールのうちグリーンを外したのは1ホールのみ。渋野のショットは非常に安定して、バーディーチャンスを作り続けたということだ。