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渋野日向子は海外でどんな評価?
「プレーもマナーもお手本です」
posted2019/08/21 08:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Matthew Harris/AFLO SPORT
日本勢として42年ぶりに渋野日向子が海外メジャーを制した。
渋野の故郷である岡山県では号外が配られたり、AIG全英女子オープン後の国内女子ツアーの観客が急増するなど、渋野フィーバーが巻き起こっている。
そんな中で、海外で無名だった日本人の優勝を欧米のゴルフメディアは、彼女のことをどのように受け止めたのだろうか。
「あんな選手は初めてですよ」
ゴルフ取材歴17年以上、米ゴルフ雑誌「ゴルフウィーク」のシニアライターのベス・アン・ニコルスはこう切り出し、渋野を絶賛する。
「最終日最終組の優勝争いという極度にプレッシャーがかかる中で、いかんなく実力を発揮しました。しかもプレーの合間に笑顔を絶やさずにね。ホール間を移動する時は大勢の観客とタッチも交わしていました。プレースタイルだけではなく、あの明るい人柄に、みんなが渋野の虜になりました」
「大舞台のために生まれた選手では」
全英女子の最終日は、ゴルフチャンネルとNBCという2局で放映され、ここ13年間の同大会で最高の視聴者数であったという。試合のハイライトは渋野が18番でウイニングパットを決めた瞬間だろう。
「今年の米女子ツアーの優勝で、一番歓声が挙がっていました。渋野は大舞台のために生まれてきた選手ではないでしょうか」
元プロゴルファーで現ゴルフチャンネル解説者のカレン・スタップルズは、渋野の勝因の1つに“コースコンディション”を挙げた。
「母国のイギリスの選手ですら、アドバンテージがありませんでした」
イギリスといえば海岸沿いのリンクスコースが象徴的である。
吹き荒れる風、深いラフ、ポットバンカー……リンクスで戦うには、風に負けない低い弾道のショット、グリーン手前から転がしていくアプローチなど、特有のスキルが要求される。
ところが、今年の舞台のウォバーンGCはロンドン近郊の木々に囲まれたコースだった。