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夏の甲子園・史上最強校はどこか?
歴代優勝校をデータで比較する。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2019/08/19 07:00
データは出場校数が49代表となった1978年から2010年までを対象としています。
表には入ってないが、捨てがたいチーム。
相手のレベルという点では、表には入っていないが、松坂大輔のいた'98年の横浜を忘れることはできない。2回戦・鹿児島実業のエースは杉内俊哉(ダイエー3位)。延長17回を戦ったPL学園からは、田中一徳(横浜1位)、大西宏明(近鉄7位)、田中雅彦(ロッテ4位)、平石洋介(楽天7位)と、4人の野手がプロ入りしている。
さらに準決勝・明徳義塾のエースは寺本四郎(ロッテ4位)、決勝の京都成章の捕手は吉見太一(西武3位)だった。得失点差で見れば3.67だから「最強候補」から外れてしまうが、内容を見ていくと捨てがたいチームだ。
1つの高校チームから5人がプロ入り。
しかし、こうした面から見ても、'85年のPL学園は、やはり「史上最強」の条件を満たしている。準々決勝で大会注目の右腕・中山裕章(大洋1位)を擁する高知商業と対戦し て6-3で撃破。PL学園からは、桑田真澄と清原和博以外に、松山秀明(オリックス5位) 、内匠政博(近鉄3位)、 今久留主成幸(大洋4位)がプロ入り。1つの高校チームから5人がプロ入りするというのは例外中の例外だ。
当時の中村順司監督が「何年も経って『こんな強いチームがあったんだな』と思い返すことになると思う」と語った、まさに最強の名に相応しいチームだったと言える。